日産キャラバンの可能性は無限だ!!! 災害時に頼もしいDISASTER SUPPORT SPEC.の機能性が凄すぎる!!!
2025年1月10日から開催される「東京オートサロン2025」(千葉県・幕張メッセ)に、日産が魅力的なコンセプトカーを披露する。「キャラバン」ベースの「DISASTER SUPPORT SPEC.」の機動性に迫る。 【写真を見る】新型DISASTER SUPPORT SPEC.の全貌(13枚)
より使い勝手を考慮
日産は東京オートサロンで、例年、キャラバンの可能性を追求したカスタムモデルを出品する。2025年は被災地での使用を見据えて機能性を高めた「DISASTER SUPPORT SPEC.」を展示する。 「普段は日常使いしている車両が、いざという時にサポート車両として支援に向かう」、そして「架装内容は、実売を見据えた商品を活用し、一般の方でも手が届く規模感の改造とする」の、2点をコンセプトとして開発したのが、今回の「DISASTER SUPPORT SPEC.」だ。 「2024年1月の東京オートサロンに出展した『Disaster Support Mobile-Hub』の防災のコンセプトが市場から注目を受け、様々な企業様や自治体様よりお問い合わせや視察に来ていただいた」と、日産は開発背景を解説する。 実車はデザイン的にも優れている。外板色はグレーの濃淡の塗装で、内装は広く清潔にみえるホワイト中心。断面などは(おそらく衝突防止などの目的で)オレンジと、機能性と審美性が両立している。 日産の開発者が「(災害時の)想定シーン」としてあげているのは、以下の3点だ。 ・本社の支援部隊2名が現地入りし、被災した支店の活動再開をサポート。 ・ホテルは稼働していない為、車内で食事や寝泊まり、事務作業を行う。 ・通信、電気が来ていない状況だが、ネットを繋げて情報収集や会議を行う。 就寝時は、格納されたボードを展開し、そこに軽いエアマットレスを敷く。苦労したのは、「よく知らない人同士が寝泊まりすることになったとき、どういう位置関係で寝てもらう のかでした」と、開発者。結果、ひとりは床、もうひとりは棚のように展開するところで、と、位置を離すのにも成功した。 床面も、ペットボトルが詰まったクレートなどの重い荷物を車内で移動させやすいよう、ポリアセタール樹脂(POM樹脂)なるエンジニアリングプラスチックを見つけてきて、それを敷き詰めた。 特徴を、日産の説明をベースに、あらためて列記してみよう。 ・車外に展開可能なスライド棚を装備し、車外へ棚を引き出したあとはオフィス空間に。 ・ラゲッジ(荷室)部には「ポータブルバッテリー from LEAF」等を収納する棚があり、そこの天板を展開することで就寝用ベッドになる(先述)。ラゲッジのフロアには重い荷物の積み下ろしを容易にする低抵抗素材を採用する。 ・ルーフ部は角度調節が可能なソーラーパネル固定具や、「Starlink」の通信アンテナ固定具を装備可能。 ・スライドドアガラスに内蔵したサイネージモニターを使った最新情報の発信や、スマートフォンの充電ボックス(施錠機能つき)、車外用の折り畳み個室などを設けている。 「実際に24年のDisaster Support Mobile-Hubを体験いただくと『車内照明がもっと明るいほうがいい』などのコメントがあったため、それらを大いに参考としました」と、開発者は言う。 企画が始まったのは、24年7月で、そこから10人のメンバーで、作り上げたそうだ。部品調達の背景を聞いていると、「ハンズ」とか「ワークマン」で優秀なスタッフの説明を受けているようで、大変楽しい。もっとも、このクルマが活躍する事態がこないのがいちばんいいのだけれど。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)