巨人ドラ1・石塚 “聖地”千葉・佐倉でミスター級活躍期す「観客を魅了できるような選手に」
ミスターゆかりの地からプロ人生のスタートを切った。巨人のドラフト1位ルーキーの石塚裕惺(ゆうせい)内野手(18=花咲徳栄)が3日、千葉県佐倉市の長嶋茂雄記念岩名球場で自主トレを公開。長嶋茂雄終身名誉監督(88)の出身地で、同市の市民栄誉賞受賞を記念して名付けられた球場で、ミスター級の活躍を誓った。 気温5度。雨も降り冷たい風も吹く中で約2時間、黙々と体を動かした。レジェンド「長嶋茂雄」の名を冠した特別な球場。石塚にとっては中学時代に汗を流した球場で、プロ野球選手としての決意を新たにした。 「本当に日本プロ野球界のスーパースター。誰もが憧れる華がある選手だと思うので、そういう観客を魅了できるような選手になれれば一番いいかなと思います」 千葉県八千代市出身。中学時代は佐倉シニアに所属し、自宅から車で約40分の同球場で毎週、練習を行った。自主トレ終了後は、長嶋氏のユニホームなどが飾られた展示室を見学。「佐倉市とは少し縁があるのでミスターに近づけるように頑張っていきたい」と同じ右打ちの内野手でもあるレジェンド級の活躍を思い描いた。 新入団選手のお披露目が行われた昨年11月30日のファンフェスタでは、長嶋氏も東京ドームに登場。だが石塚は「あいさつもできなかったです」と悔やみ、伝説の「長嶋タッチ」を切望した。長嶋氏が触れた選手が飛躍するという吉兆の“儀式”。過去には08年に坂本がブレーク、10年には長野が新人王を獲得し、岡本もタッチされた後、4番に成長した。18年までは春季宮崎キャンプがその舞台だったが、以降は長嶋氏の体調不良やコロナ禍などで視察が実現せず。ただ、シーズン中に東京ドーム、ジャイアンツ球場を視察しており、何らかのタイミングでの「タッチ」のチャンスを待つ。 この日は父・康直さん(49)、弟・太惺さん(15)とともに練習。ソフトバンク・近藤モデルでチームカラーのオレンジ色のバットで挑んだフリー打撃では、快音を連発した。「もちろん実力主義の世界。1年目だからっていうのはなく、どんどんガツガツアピールしたい」。8日に入寮して始まる野球漬けの日々へ。レジェンドにあやかり、飛躍を目指す。(村井 樹)