<頂点へ―’22センバツ九国大付>第4部/下 支える人 アルプス席の主役たち 気持ち伝わる応援を /福岡
18日に開幕する第94回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)では、アルプス席で応援する学校関係者の上限人数が、前回大会の1チーム1000人から1800人(新型コロナウイルスまん延防止等重点措置の適用期間中)に引き上げられる。ブラスバンドの演奏も解禁。これまで発表の場が限られてきた吹奏楽部員やチアリーダー、応援団員たちは、大舞台で選手を鼓舞するそれぞれの「戦い」に挑むため、努力を重ねてきた。 4日、九州国際大付(北九州市八幡東区)であった壮行会。吹奏楽部員たちが甲子園の応援定番曲「アフリカン・シンフォニー」を演奏し、応援団とチアリーディング部がダンスと演舞で選手たちにエールを送った。野球部の野田海人主将は「応援への感謝を忘れず一丸となって戦いたい」と気合を込めた。 新型コロナの影響は野球部に限らずどの部活にもあった。九国大付の吹奏楽部は全員で集まっての演奏機会は限られ、普段はパートごとで練習する。大型の管楽器、チューバを担当する田中頌太副部長(2年)は「広い甲子園で選手に届けるには、もっと音を出せないと」。30曲ある全てのレパートリーを披露することは難しいが、オリジナルの応援曲などに磨きをかける。 声を出しての応援は今回も禁止され、応援団もできない。チアリーディング部も、例年出演してきた地元イベントの中止などで実践の場を失い、半ばぶっつけ本番の甲子園だ。 それでも、選手とともに戦う意気込みは十分だ。チアリーダーになりたくて入学した新井穂果さん(2年)は「入学してから一番大きな舞台。一番の応援をしたい」。九国大付はあす18日、さまざまな思いを乗せて初戦に挑む。【浅野翔太郎】 〔福岡都市圏版〕