ソフトバンクG孫社長、海外で大技狙いダイナミックに-投資戦略
(ブルームバーグ): ソフトバンクグループの孫正義社長は20日、国内通信子会社の株主総会に出席し、海外を中心に「次の大技を狙う。ダイナミックにやっていく」と、今後の投資戦略について語った。
孫社長はその上で、「当たるか、外れるかということをいとわない仕掛け」をしていきたいの方針を示し、「新しい進化の種を見つける」のが使命だと述べた。具体的な金額や手法などについては言及しなかった。
ソフトバンクGは5月、2024年3月期の純損益は3年連続の赤字となったと発表。孫社長は1年半以上決算説明会を不在にしており、半導体装置子会社のアーム・ホールディングスの上場以降、同社長が新たな投資戦略について語ったのは今回初めて。
また、国内通信大手のソフトバンクの株主総会では、株主から傘下のLINEヤフーの資本再編について質問が出た。宮川潤一社長は、韓国のインターネット最大手で大株主のネイバーとは合意に至っていないとし、合意の時期について言及を避けた。
LINEヤフーでは昨年11月、ネイバー関連会社の従業員が所持するPCがマルウェアに感染し不正アクセスを受けたことが判明、ユーザー情報など約52万件が流失した。通信の秘密を含む情報漏えいはセキュリティー上の重大な事案で、総務省は安全管理と、親会社とグループ全体でのガバナンスの本質的な見直しを求める行政指導を行った。
ソフトバンクとネイバーは現在、LINEヤフー株の64%を保有する中間持ち株会社の株式を50%ずつ保有している。宮川社長は5月の決算説明会で、ネイバーとは「1株から全株までの議論になる」と中間持ち株会社の全株取得も選択肢にあるとしていた。
韓国政府はこうした動きを受けて、株式売却に関して日本政府から圧力があると遺憾の意を表明、不当な措置には強力に対応すると述べた。
宮川社長は、「ネイバーは継続して協議している。LINEヤフーの将来を考えて、できる限りの事をしたい」と述べた上で、合意時期を示すことはできないとした。
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Takahiko Hyuga