大相撲・出羽海部屋の木曽合宿終了 御嶽海関に1000人がエール
大相撲・御嶽海関(長野県上松町出身)が所属する出羽海部屋の木曽合宿最終日となった29日、木曽町新開の町相撲場での稽古が一般公開された。約1000人が迫力ある稽古を見守り、来月14日に始まる名古屋場所に向けてエールを届けた。 県内各地の相撲クラブに所属する小中学生に力士たちが胸を出す稽古では、何度もバチーンと音を立てて果敢に押す子供たちの健闘に会場から大きな拍手が送られた。「ミニ巡業」と題した後半は、髪結いの実演や相撲甚句の披露があった。力士が東西5人ずつに分かれる「正五番勝負」が見所で、本場所さながらの白熱した取組が会場を大いに盛り上げた。 締めくくりに御嶽海関との握手会があった。伊那市から訪れた会社員(38)は握手の際、昨年の合宿時に撮影した御嶽海関の父の故大道春男さんの写真を渡し「『ありがとうございます。大事にします』と受け取ってもらえた」とほほ笑んだ。 御嶽海関はあいさつで「3回目の合宿でも地元の熱気はまだまだ冷めていないので、自分も頑張らねばと思った」と述べた。 合宿を終えて力士たちは愛知県へ移った。木曽相撲連盟会長の山下泰男さん(71)=木曽町=は「地域や子供の交流が深まり合宿は定着しつつある。来年はさらに活気あるものになればうれしい」と話した。御嶽海関は報道陣の取材に「充実した稽古だった。慣れ親しんだふるさとで気持ちも楽に過ごせ、地元の皆さんに背中も押してもらえた」と話した。
市民タイムス