バイクは2スト!クルマはライトウェイトスポーツ!偏屈原始人の前に忽然と現れた最新最上のスバルWRX S4 vol.1【タカハシゴーの新車でGO!】
試乗車は2023年式スバルWRX STI S port R EX
……という偏屈原始人の前に燦然と現れたのが、今回試乗したスバルWRX S4 STI Sport R EXである。これも非MTのCVTという時点で自発的興味を持てずにいたモデルなのだが、自車・GDA-Fのお兄さんにあたるモデルなので、正直、走らせてみたい。 見た目はカッコいい。すっかりイマドキの主流から外れてしまったセダンだが、車としての均整が取れたフォルムだと思う。GDA-F所有者としては、居住空間とトランクがまったく別になっているのは、いろいろとメリットがあると感じる。 顔立ちが怖くなったのはちょっと残念だ。もう少し優しげのある目がいい。そういう意味では、前モデルのVAのホークアイの方が好きだ。生命感があって、愛せそうな気がする。今のスバル車の顔は、理知的すぎる。グリルからのラインがヘッドライトに食い込んでいるのも痛々しい。
フロントシートはメーカーオプションのレカロ製
というわけで、FA24を搭載したVBHのドアを開ける。その瞬間、本革&ウルトラスエードがあしらわれたレカロシート(メーカーオプション)が出迎えてくれる。鼻をピクつかせ、慎重に腰を下ろしながら、「あ、これはオレに見合う車じゃないな」と思ってしまう。 上質な本革に包まれたカーライフなど、自分の身の丈に合わない高級さだ。車は走らせて楽しければそれでよく、むしろ重量増を招く豪華装備にまったく食指が動かない僕に、本革やウルトラスエードは過剰だ。だいたい車内でコンビニ飯を食らう機会が多いので、すぐに汚してしまいそうだし、緊張して車に乗るのもイヤだ。 しかし、偏屈原始人にはもったいないだけで、いいものだということは理解している。本革ならではの滑らかな肌触りとほどよいタイト感がバランスしており、座っただけでS4が高級スポーツセダンだということが伝わってくる。子供っぽい赤ではなく、茶色味がかったボルドーをチョイスしているあたり、いかにもシブい大人向けだ。 シズシズと着座すると、スイッチを動かしてポジションを調整する。電動でウイイィィンとシートが動く。高級感あふれる一方で、若干まだるっこしさを感じる。レバーをザッと引いてガガガッ、ガチッとポジションを合わせる手動の粗雑なスピード感に慣れているからだ。 これはWRX S4に限った話ではないが、車の電動操作類は安全性を考慮して軒並み遅い。ミニバンの電動スライドドアの開閉など、永遠のように感じる。TV1サンバーの手動スライドドアを見習ってほしい。「シャッ、バシーン!」てなものである。指など挟もうものなら、絶対にちぎれてしまうだろうな、と思うが。 シート調整なんか手動でいいのに、と思うが、WRX S4にはドライバーモニタリングシステムが搭載されている。実際に自分の顔を登録すれば、シートやドアミラーのポジションを設定した位置に自動で調整してくれるそうだ。そのための電動シートと思えば便利なのかもしれないが、WRX S4の車両重量は1620kg(オプションのサンルーフ含む)である。GDA-F比で240kgも重い……。 安全性能を高め、快適装備を盛りだくさんにすれば、そりゃあ車重は増す。重くなれば、運動性能は落ちる……のではないかと思うのだが、どうなんでしょうか? 無駄にウィンウィンとシートを前後させながら、ふと考え込んでしまう。 スバルWRX S4(VBH) ・グレード STI Sport R EX ・Specification ボディサイズ:全長4670mm×全幅1825mm×全高1465mm ホイールベース:2675mm 車両重量:1620kg 最小回転半径:5.6m 乗車定員:5名 エンジン:FA24型 2387cc水平対向4気筒DOHC16バルブ デュアルAVCS直噴インタークーラーターボ"DIT" 最高出力:275ps(202kW)/5600rpm 最大トルク:38.2kgm(375Nm)/2000rpm-4800rpm トランスミッション:8速マニュアルモード付きCVT(スバルパフォーマンストランスミッション) 駆動方式:フルタイムAWD 燃料:63L(ハイオク) サスペンション:Fマクファーソンストラット/Rダブルウィッシュボーン ブレーキ:Fベンチレーテッドディスク/Rディスク タイヤ・ホイール:245/40R18 ・価格 車両本体:502万7000円 オプション:フロントレカロシート(22万円)、サンルーフ(11万円) 総額:535万7000円
タカハシゴーのこれまでのスバル人生を振り返るコラム
そんなタカハシゴー、連載中のコラムでは自身のスバルとの出会いから、その傾倒への道程を語っています。現在は第3回まで公開中。合わせてお楽しみください(MotorFan.jp)
高橋 剛
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