レディースの靴、春夏の新作は「主役級」 ジミー チュウ、マノロ ブラニク…
連載《ファッションハック》Vol.20 靴のトレンド、ラグジュアリーブランドでチェック
服だけではなく、靴にもちゃんとトレンドがあります。新傾向をつかんでおけば、賢いショッピングや上手なスタイリングに役立ちます。トレンドの方向性をつかむ上で、有力ブランドの動向は見逃せません。今回はいずれもラグジュアリーブランドの「JIMMY CHOO(ジミー チュウ)」「MANOLO BLAHNIK(マノロ ブラニク)」「SERGIO ROSSI(セルジオ ロッシ)」「Roger Vivier(ロジェ ヴィヴィエ)」の2024年春夏新作から、今年らしい履き方をご案内します。 【写真14枚】ジミー チュウ、マノロ ブラニク、セルジオ ロッシ、ロジェ ヴィヴィエの新作をチェック!
■凜とした「きちんと見え」、今後の主役シューズに
最初に大きな流れを押さえておきましょう。お手本に選んだのは、パリで開催された「ロジェ ヴィヴィエ」の24年春夏コレクション会場に現れたファッショニスタ。ベストとパンツのセットアップに、かかとが太いチャンキーヒール靴を合わせています。足元を彩るストラップやヌーディーな見え具合なども、いまの流れを反映。かしこまりすぎない雰囲気、凜(りん)とした「きちんと見え」、芯の強いキャラクターなどを兼ね備えた靴が次の主役シューズになりそうです。では、具体的に4ブランドの新作を見ていくことにしましょう。
■ジミー チュウ
24年春は「ステートメント グラマー」打ち出す ジミー チュウは1996 年に誕生したブランド。米アカデミー賞やカンヌ映画祭などでドレスアップして登場する俳優らのレッドカーペットスタイルに欠かせないブランドとして知られます。現在はサンドラ・チョイ氏がクリエイティブ・ディレクター。「グラマラスな魅力、オプティミズム(楽観主義)、喜び」をビジョンに掲げています。2024年春コレクションはブランドの基本哲学である「ステートメント グラマー(存在感を放つ魅力)」を改めて打ち出しました。 かかとにストラップを配した「バックストラップ」タイプは今年の本命靴です。ホールド性が高いので、抜けたりずれたりしにくく、急ぎ足でも大丈夫。エレガントな横顔もこのタイプの持ち味です。 控えめのつやめきがヌーディーカラーを引き立てています。お仕事ルックにもなじみそうな穏やかテイストです。水滴のようなドロップ形のヒールがアートライク。ピンヒールより安定感がありそうです。曲線主体のたおやかなシルエットを生かして、フェミニン度の高い装いに引き合わせてみましょう。 かかとが太い「チャンキーヒール」は安心感の高さや落ち着いた見え具合が人気の理由。仕事中の急ぎ足でも転ぶ心配が少ないタイプです。いくらかヒールが高めでも、どっしり支えてもらえるので、優美なシルエットも安心して履きこなせます。 足元が楽なのは、ビジネスシーンで何にも代えがたいメリットです。随所に黒パテントレザーのラインのトリミング(縁取り)があしらわれていて、白系ベースカラーとのコントラストがくっきり。足元がシャープに決まるので、モノクロでまとめた装いと好相性。足さばきに凜々(りり)しさが加わります。 もともと紳士靴から発しているローファーは足元にマニッシュな雰囲気を呼び込んでくれます。ワンピースやスカートに合わせれば、性別にとらわれない「ジェンダーレス」のスタイリングに。職場にふさわしい「きちんと感」も備わります。 ローファーへの支持は一段と根付いて、基本アイテム化しつつあるようです。ブランドマーク付きのパールモチーフをタッセル部分にあしらった上品なディテールが目を引きます。着地面が広いおかげで、足元を気にせずにスイスイ歩けるのもローファーの良さ。マニッシュ感を靴に任せて、ウエアはフェミニンに寄せるコーディネートがおすすめです。