今、バーテンダーが飲みたい【缶ハイボール】。違いを楽しむ、おすすめBEST2
糖質ゼロのウイスキーをベースにしたハイボールはヘルシーにお酒を楽しめて、食事と相性のいいすっきりとした味わいで大人気! コンビニやスーパーのお酒売り場では缶ハイボールの勢いが止まらず、その種類はどんどん豊富に。そこで今回のうち飲み向上委員会では、数多ある商品の中から、本当においしい缶ハイボールをウイスキーバー「Vision」の小林渉さんが厳選してお届け! 【写真】バーテンダーおすすめの缶ハイボールをもっと見る
お店クオリティの本格派「スコッチウイスキーハイボール レジェンダリースコット」
小林渉さん(以下K) レジェンダリースコットというブレンデッドスコッチウイスキーで作った缶ハイボール。このウイスキーは、スコットランドのハイランド地方にあるトマーティン蒸留所が手がける本格派です。 ライターYOKOMIZO(以下Z) キリッとしていて甘みが一切ありません! ツンデレすることもなく、クールで孤高。一度出合ってしまったら、もう忘れられない♡ エディターAKIYAMA(以下A) なんの話なの!?(笑)小林さんがこの缶ハイボールをおすすめされる理由は? K スコッチウイスキーらしさを知ってもらえたらと選びました! ブレンデッドウイスキーに含有されているグレンウイスキーは、鼻に抜ける香りが特徴。それをしっかり感じられます。これもブレンデッドウイスキーの特徴でもあるんですけど、グレンウイスキーの比率が高いことによる、穀物由来の甘みが出ていますね。 Z ほのかな甘さに気付けないとは、まだまだ私もお子ちゃまね……。 A それ、味覚の問題な! どういうウイスキーが好みの方に向いていると思いますか? K スタンダードなハイボールを飲みたいという時におすすめです。食前・食後でも、どんな料理にも合いますよ。 Z 和食もいいし、味付けが繊細なものと合わせても邪魔をしなさそうですね。角ハイボール缶が唐揚げなら、スコッチウイスキーハイボール レジェンダリースコットはフィッシュ&チップスかな♪ A 結局、揚げものかい!
国産ウイスキーのニューフェイス「三郎丸蒸留所のスモーキーハイボール」
K 若鶴酒造が富山の三郎丸というところに三郎丸蒸留所を建てて、ウイスキーを造っています。昔から造っていたそうですが、最近大々的に設備投資をして、ウイスキー事業に本格参入したんです。ウイスキーの蒸留器は必ず銅を使うのですが、ここは蒸留器にかなりこだわっています! 大仏を造立する時の鋳造の方法を採用し、銅を溶かしてから型に入れるという特殊な作り方なんだとか。一般的な蒸留器よりもたくさん銅を使用するので、お値段もかなり高くなるらしいです。 Z こだわりを詰め込んだ、新しい蒸留所に生まれ変わったんですね。缶ハイボールも期待が高まる~! A 商品名の通り、口の中に入った途端にスモーキーなニュアンスがあります。これまでにない味わい、クセになる! K それは、ピートを焚いているからです。スコッチウイスキーでよくやる方法なんですが、スモーキーフレーバーを立たせるための造り方。基本ウイスキーは、麦芽が原材料。大麦の麦芽というのは、大麦の粒。大麦の粒はそのままの状態では、ウイスキー造りに向かないので、ちょっとだけ芽を成長させるんです。そうすると中に糖化酵素というのができて、その状態からウイスキー造りを始めると一番良いとされています。でも、芽を生やして放置していたら大麦になっちゃうので、ちょうどいいところで熱を加えて成長を止める。その作業によって麦芽ができます! 熱を加える時の、熱源がピート。スコットランドは燃料に乏しい国だったので、ピートと言われる泥炭を乾かして燃料として使っていたんです。それを炊くと煙が出て、大麦麦芽が燻製される。燻製されたフレーバーがついた麦をそのまま使うと、スモーキーフレーバーのあるウイスキーになります。 Z なるほど~! スモーキーというのは単なる表現ではなく、本当にいぶしていたんですね! K 前回ハイボール向けのウイスキーの中にスモーキーフレーバーを入れなかった理由は、フルボトルを1本買ってこの味が苦手となったら持て余しちゃうじゃないですか。缶ハイボールだったらスモーキーフレーバーってどんな味だろうかと気軽に試すことができる。スモーキーなウイスキーの入り口に最適だと思います。 A こういう味が好きな方は、私を筆頭に少なくないと思うので、まずは缶ハイボールから知ってほしいですね。 photography:toki, Kaho Yanagi text:Momoko Yokomizo