「ロスでは個人・団体とも金メダルを」フェンシング・パリ五輪団体銅メダル フェンシング・尾崎世梨選手2028年への決意
パリ五輪・フェンシング女子サーブル団体で銅メダルを獲得したメンバーの一人、尾崎世梨選手(22)は鹿児島南高校出身。北海道から単身、鹿児島の高校でトレーニングを積んだ尾崎選手は、五輪のメダル獲得を経験して、新たな目標に向けて進み出していた。 【画像】強豪・鹿児島南高校3年生当時の尾崎選手
ロス五輪を見据え切磋琢磨
2024年11月29日、尾崎選手の姿は、東京のナショナルトレーニングセンターにあった。 12月にフランスで開かれるグランプリに日本代表として出場するため、大学に通いながらほかの代表選手と練習を行っていた。 「日本のトップクラスの選手たちが集まって高いレベルの中で練習を毎日できることは恵まれた環境だし、お互いに切磋琢磨しながらできていると思います」と、尾崎選手は良い刺激を受けていた。 尾崎選手にとって飛躍の年となった2024年、8月のパリ五輪・フェンシング女子サーブル団体。尾崎選手は当初リザーブメンバーとしての選抜だったが、五輪の大舞台で世界の強豪相手にポイントを重ね、史上初の銅メダル獲得に大きく貢献した。 メダル獲得から約4カ月。「今までのフェンシング人生においては最高の結果が出たと思うんですが、ここからが2028年のロス五輪に向けてのスタート地点になっていると思います」と、尾崎選手は次の五輪をしっかりと見据えていた。
強さの秘密は“初期動作”の察知
北海道出身の尾崎選手は、バルセロナ、アトランタ、北京の3大会に五輪代表を送り出したフェンシングの強豪・県立鹿児島南高校の門をたたいた。 3年生だった2020年、将来の目標について「世界でメダルを取れる選手になりたい」とカメラの前で宣言していた。 高校卒業後は法政大学に進学。日本を代表する選手へと成長した。 尾崎選手の強さの秘密はどこにあるのか。 日本代表のグース・ジェローム・ジャンヘッドコーチは「アタックシュラプレパラーション」というプレーを挙げ、このプレーにおいて尾崎選手は「世界の中でもトップレベルの選手の1人」と話す。 一般的には聞き慣れない“アタックシュラプレパラーション”という言葉。「プレパラーション」とは相手の攻撃の初期動作のことで、尾崎選手はこれを素早く察知して相手の初期動作中にカウンターアタックを繰り出すことを得意とし、実際にパリ五輪でも世界の強豪相手にその技術が光った。 グース・ジェロームヘッドコーチは「尾崎にはロス五輪に向けて江村(美咲選手)と一緒にチームのリーダー的存在として活躍してほしいし、世界のトップ選手に進化してほしい」と、大きな期待を寄せている。 尾崎選手は「パリでは個人戦での出場がかなわなかったのと、望んでいたメダルの色ではなかったので、(次の五輪では)個人・団体ともに金メダルを目標に、自分でリードできるような選手になりたいと思います」と語った。 12月のグランプリでは予選2回戦敗退という結果に終わったが、2028年には日本の中心選手として、そして世界の頂点へ。 目標に向かって成長を続ける22歳、尾崎選手の2025年が楽しみだ。 (※尾崎世梨選手の「崎」はたつさき) (鹿児島テレビ)
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