大分市上戸次に災害時の物資輸送拠点「へつぎ防災広場」完成 仕切りテントや携帯トイレなど備蓄 住民らの緊急避難場所にも
大分市上戸次に大規模災害時の物資輸送拠点となる「へつぎ防災広場」が完成した。備蓄倉庫や多目的広場などを備え、地区住民らの緊急避難場所としても活用する。 広場は総面積約2万4千平方メートル。総事業費約5億3980万円で真砂土で舗装した緊急避難広場(約1万1千平方メートル)や防災備蓄倉庫(鉄筋平屋建て、延べ床面積約420平方メートル)、公衆トイレなどを整備した。 津波浸水想定区域から離れており、県が物資を集積するレゾナックドーム大分からのアクセスも良く、国道10号にも近く、大野川の氾濫時には住民が車に乗ったまま避難することもできる。
倉庫には市内各所で分散備蓄していた▽折りたたみ式多目的ベッド(148台)▽プライベート間仕切りテント(396張)▽携帯トイレ(10万回分)―などを保管。災害時には備蓄品や県から分配された物資を同広場で仕分けして、市内全域に輸送する。 10日に現地で完成記念式典があり、地元住民ら約50人が出席。足立信也市長が「津波や大雨による浸水のリスクが少ない場所に整備することができた。平常時には住民の防災訓練にも活用してほしい」とあいさつした。 <メモ>県の試算では南海トラフ地震が発生した場合、市内では在宅を含めた避難者数が最大9万5千人に上るという。