容疑者ら長期間暴行繰り返したか 抵抗できない心理状態だった可能性 板橋同僚いじめ殺人
昨年12月、塗装工の高野修さん=当時(56)=が東京都板橋区の踏切で自殺させられた殺人事件で、高野さんが殺人容疑などで逮捕された元同僚らから少なくとも3年以上にわたって暴行を受けていた疑いがあることが9日、捜査関係者への取材で分かった。 捜査関係者によると、容疑者らから逮捕前に任意提出されたスマートフォンを調べたところ、令和2年ごろに高野さんがけがを負った様子を写した画像が撮影されていたという。 高野さんは平成26年ごろから容疑者らも働く塗装会社「エムエー建装」で勤務。しかし、負傷した画像の撮影時期と近接する令和2年8月に一度退職し、3年2月に復職、5年10月まで再び勤務していた。 また、事件当時、高野さんと現場まで同行したとみられる島畑明仁容疑者(34)が逮捕前の聴取に「駅に行きたいと言ったので現場付近まで送った」と関与を否定する趣旨の説明をしていたことも分かった。 警視庁捜査1課は高野さんが長期間の暴行で抵抗できない心理状態になり、自殺を余儀なくされたとみて経緯を調べる。 事件は昨年12月3日午前0時10分ごろに発生。高野さんが板橋区徳丸の東武線踏切に立ち入り、列車にはねられて死亡した。警視庁は高野さんに自殺を強要したとして、殺人と監禁の疑いで、エムエー建装社長の佐々木学容疑者(39)と社員ら計4人を8日に逮捕した。