投資の儲けが「非課税」に!節税効果大のNISA活用だが…メリットだけではない、公認会計士が語る“注意点”
NISAやふるさと納税、年金、退職金など……。定年後の人生も長くなることが予想される現代。「税金についてよくわからない…」ではすまされません。税理士兼公認会計士である村形聡氏監修の書籍『サクッとわかる ビジネス教養 税金とお金』(新星出版社)より、一部抜粋して紹介する本連載。税理士、公認会計士という2つの肩書きを持つ村形氏が、知らなければ損をしてしまう、税金に関する知識をわかりやすく解説します。 【早見表】国民年金・厚生年金「年金受取額」分布…2022年3年度末現在 2023.01.10
投資の儲けが非課税に…メリット大のNISA活用
NISAは株式投資の利益が非課税になる制度です。年間上限360万円まで投資できる非課税の年間投資枠を利用でき、最大で1,800万円まで投資できます。通常の株式投資では約20%の課税が発生することと比べると、節税効果により投資効果が高くなります。また非課税のため確定申告が不要である点もメリットです。口座開設は18歳以上から、投資枠から得た利益はいつ売却しても非課税です。 年間投資枠には「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の種類があり、組み合わせて投資できます。つみたて投資枠と成長投資枠の違いは対象商品と、買付方法にあります。つみたて投資枠の対象商品は投資信託で、決まった額を定期的に買い付けます。成長投資枠は、投資信託以外に国内外企業や新規上場企業の個別株など、幅広い商品を好きなタイミングで投資できます。併用はもちろん、どちらか片方のみの利用もできます。
投資枠の再利用・使い分けも魅力
つみたて投資枠と成長投資枠は投資方針によって使い分けるとよいでしょう。つみたて投資の対象商品である投資信託は、専門家が投資家から集めた資金を運用して様々な銘柄に投資して、その成果を投資家に分配するもの。 積み立てとは、一定額の買付を長期かつ定期的に行うこと。つまり、買うタイミングや投資先を分散して、安定した収益を望む場合に向いている枠です。 一方の成長投資枠は、より大きな金額を一括で購入できるため、その分、利益が大きくなる可能性があります。枠の再利用もできるため、積極的に売買を行いたい場合にも使い勝手がよいといえます。 なお、NISAでは損益通算や繰越控除を利用できません。投資には値下がりのリスクもあります。証券会社への手数料など、コストも発生します。非課税のメリットは大きいですが、必ずしも利益を得られるものではないという点は、投資一般にいえる注意点です。 村形 聡 税理士・公認会計士
村形 聡
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