取材ノート 地場企業を取材、発信する使命
■「うちはメディアの取材を基本お断りしている」と話していた製造業の社長を取材した際、なぜ弊紙の取材に応じてくれたのかと尋ねてみた。社長は「展示会で熱心に話を聞く酒井田さんの姿に胸を打たれたからだよ」と答えた。初歩的なことではあるが、相手の話をひたむきに聞く姿勢を心がけてきたことが生きたと感じた。うれしかった。 取材を担当しているのは、主に名古屋市内の中小企業だ。3年目となると、継続して訪れる企業が増えてきた。訪問すると、前回の記事で受注が決まったなど、うれしい声を聞かせてもらえることもある。取材先企業との距離が近く、記事に対する反響をじかに受け取れることに取材の面白みがある。 大手企業のニュースに比べて社会に与えるインパクトは小さいかもしれないが、地場に根付く中小企業の活動を綿密に取材し、発信することもまた弊紙の使命だと考えている。 =おわり= ■酒井田梨央(さかいだ・りお)名古屋市内の中小企業、繊維業界、市政を担当。先日、香川県に旅行に出かけた。旅の目玉は「中野うどん学校」。讃岐うどんの作り方を習得し、卒業証書を手渡された。私の最終学歴は「中野うどん学校 卒業」に更新された。