甘~いスイカ登山者癒やす 北アルプス・燕岳の合戦小屋で限定で提供 長野県安曇野市
北アルプス・燕(つばくろ)岳(2763メートル)登山の夏の名物といえば、登山道途中にある合戦(かっせん)小屋(2350メートル)のスイカだ。シャリッとした歯ごたえ、みずみずしくて冷たい食感、甘さは塩を振ればさらに引き立つ。額に汗し、スイカにかぶりつく登山者は、誰もが幸せそうで笑顔だった。 6日、長野県安曇野市穂高有明の中房登山口(1450メートル)から頂上を目指した。合戦小屋は頂上まで3分の2ほど登った場所にあり、その道のりは北アルプスの「三大急登」と呼ばれる。汗をだらだらと流して小屋にたどり着き、早速、スイカを食した。松本市波田産で、2Lサイズを16等分した一切れが600円だ。 「開口一番、『スイカ食べたい』と声を上げるお客さんも多い。この大きさと甘さで価格もリーズナブル」。小屋スタッフの大友啓太さん(36)は、自信ありげに話した。 初めての燕岳登山という女性=山梨県甲斐市=は「おうちで食べるより断然おいしい」、息子の信州大学大学院生(24)=松本市=は「すごく甘い」と表情を崩した。友人の男性(23)=甲府市=は「想像より大きくておいしい」と感激していた。 小屋は4月下旬~11月下旬の営業で、スイカは6月中旬~9月下旬に提供している。ピーク時は1日で35玉以上、シーズンを通し1200玉以上出る。荷上げは全長約2キロのケーブルを使う。ケーブル設置は昭和39(1964)年で、その2年後にスイカの販売を始めた。 9月に入り、暦では秋となったが、まだまだ暑い日が続いている。合戦小屋のスイカは疲れを癒やし、頂上を目指す活力となる。
市民タイムス