ゴシップ好きは人間の本能!? “噂話”を上手するコツ
私の友達の友達は、ゴシップ好きであることを理由に長年付き合っていたグループから破門された。ときどき人の噂話をしていたら、「ゴシップガール」というあだ名を付けられ、いつの間にか勘当されていたという。このようにゴシップ好きが原因で友達を失うケースもあるけれど、最近はゴシップが一種の社会機能として見られるようになってきた。 【写真】友達だと思っているのは自分だけかも?一方通行の友情であることを示す15のサイン 現代人のゴシップ欲は頂点に達している。ゴシップの宝庫として知られるインスタグラムのアカウントDeuxMoiは、2013年にライフスタイル系情報サイトとしてスタートしたものの、最初の7年は潜伏期間でフォロワー数も4万人弱だった。それがパンデミック中に雪だるま式の大成長を遂げ、現在ではフォロワー数200万人を誇るマンモス級のゴシップ専用アカウントに。このフォロワーには、ベラ・ハディッド、カーディ・B、クリッシー・テイゲンのような有名人も含まれているというから驚きだ。DeuxMoiは大手マスコミの“ブラインドスポット”になっている小ネタを拾い集め、巧みに編集したうえでSNSにアップするという手法を用いており、最近ではビジネスの幅を毎週のポッドキャスト・ニュースレター・小説の配信、ネットショップの運営、HBOのドラマ(製作準備段階)にまで拡大している。
ソーシャルスキルとしてのゴシップ
ゴシップは悪趣味で不快なコミュニケーションと思われがち。でも、ゴシップは社会的な絆を形成するうえで役に立つ。米ノックス大学心理学部のフランク・マクアンドリュー教授いわく「ゴシップは人間の性(サガ)の一部」。マクアンドリュー教授は世界的に有名なゴシップの専門家で、ゴシップには見過ごされがちな長所があることを発見した。「有史以前の人間は150人程度で形成される小さな集団に属し、その中で一生を過ごしていました。そして、集団の中では信頼できる人とできない人を見分ける必要があるため、みんなが人の評判に聞き耳を立てていました。そうしないと人に利用され、自分が苦労することになりますからね」 マクアンドリュー教授によると、ゴシップ欲は人間に生まれつき備わっている本能に他ならない。「私たちは、他人のことが気になって仕方なかった人々の子孫です。その意味ではゴシップも私たちの本能に他なりません。社会の中で生き延びるために必要なスキルです」