王貞治氏の「世界少年野球」の活動を評価 ハンク・アーロン氏との会話きっかけに1990年に大会開始【日本スポーツ学会大賞】
「僕に出来ることなら」と快諾した直後から、現役引退後も含めて約30年間、王氏は札幌を訪れる度に時間を作っては、その施設に足を運んだ。実直で心優しい性格。それは、新人選手から本塁打王15回、打点王13回、首位打者5回。三冠王も73、74年と2度獲得するなど、長嶋茂雄氏とともに球界を代表するスター、「世界の王」と評されるようになってからも、変わることはなかった。 表彰する側の日本スポーツ学会は大学教授、ジャーナリスト、オリンピアンら競技関係者等で作る学術団体。98年に設立され、スポーツ分野で活躍する人らを招いた「スポーツを語り合う会」を年数回、今年11月までで130回開催してきたほか、選手引退後の「第二の人生」への取り組み支援や、世界平和を願う五輪、パラリンピック期間中の休戦アピール署名運動等の活動をしている。 2010年度から始まった「大賞」の選考基準は 1.スポーツ界に多大な貢献をしていること 2.授賞の対象となる活動が長期間にわたっており、なおかつ、その活動が後世に好影響を及ぼしていること 3.授賞式当日に会場に来場し、スピーチ等の講演が出来ること、の3点。 21年度の第12回ではエンゼルス時代の大谷翔平選手が、恩師である岩手・花巻東高野球部監督の佐々木洋氏、高校の先輩である菊池雄星投手(当時マリナーズ)とともに受賞した。 早稲田実高出身の王氏には縁のある早大での授賞式。「大変光栄なことで嬉しい」という本人がどんな話をするのか。インタビューでは質問者とのやり取りのほか、現役時代の活躍を含めて映像が披露される予定だ。スポーツ学会の長田渚左代表幹事は、「王さんは現役選手、指導者時代からいろいろな社会貢献活動をしてきているが、それがあまり知られていない。今度の授賞式は、今も野球への純粋な心を持ち続けている姿を見てもらうとともに、その生の言葉を聞ける貴重な機会になると思う」と話している。 (竹園隆浩 スポーツライター)
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