【バレー】「こういうときだからこそ盛り上がる試合を」日立Astemo渡邊彩が石川県開催のVリーグへ誓い。東北出身アスリートとして
協議の結果、予定どおりに現在実施されているVリーグ
バレーボールのVリーグは今週1月20日、21日に金沢市総合体育館(石川)でV1女子の計4試合が実施される。今年1月1日に能登半島地震が起きてから、石川県内では初の開催。アウェーチームとして20日にKUROBEアクアフェアリーズ、21日にPFUブルーキャッツと戦う日立Astemoリヴァーレの渡邊彩は、東北出身の選手として思いを馳せた。 【ギフティングサービスを用いた募金活動も実施(JVLのSNS投稿)】 元日の日本を襲った能登半島地震。石川県を中心に、今も現地では救助活動や避難生活が続いている。バレーボールの国内リーグ「Vリーグ」は震災が起きてまもなく、「地震発生地域に所在するチームの選手・スタッフについては全員の無事を確認しております」(1月3日/リーグ公式HPより)と発表され、開催地や主催チームとの協議のうえで当初のスケジュールどおりに大会が実施されることが決まった。各会場ではチームによる募金活動も行われるなど、被災地支援というボールをつないでいる。 振り返ること8年。2016-17 Vリーグでは、2016年4月に発生した熊本地震の影響のため、いくつかの大会が中止になるなど影響を受けた。練習拠点の体育館が使用できなくなり苦境の中で迎えたリーグを戦うフォレストリーヴズ熊本のもとには、Vリーグ女子の全チームによる寄せ書きが記された横断幕が届けられた。 そして、そのシーズンの最中には宮城県でも震度4クラスの地震が発生した。2016年11月上旬のことである。
仙台ベルフィーユ在籍時に渡邊彩が語っていた言葉
その当時、宮城を拠点に活動していたV2女子の仙台ベルフィーユに在籍する渡邊彩に話を聞いたことがあった。現在は日立Astemoリヴァーレでプレーし、昨年は日本代表で活躍したベテランミドルブロッカーだ。渡邊は宮城出身で、さかのぼれば2011年に起きた東日本大震災で実家が被災している。 「私たちも東日本大震災で被災された方々をたくさん見てきました。バレーボールを通して感動や元気を与えられる立場であるのは、年数がどれだけ経ったかに関係なく、すごく幸せなことだと感じます。それに今しかできないことでもあるので。そこへの使命感、責任感を持って臨まなければと考えています」 そんな言葉を聞いたのは、翌17年1月に熊本との試合が控えるタイミング。「(フォレストリーヴズ)熊本は気持ちで戦ってくるチームですよね。だからこそ対戦するときは、自分たちも気持ちをぶつけて戦いたいです」と意気込むあたりに、一人の選手として真摯(しんし)に向き合う渡邊らしさがうかがえた。