老いや認知症がテーマ 日本の演劇、台湾でリメーク 2025年上演へ
(台北中央社)国家両庁院は9日、老いや認知症、介護をテーマにした日本の演劇「よみちにひはくれない」の台湾版を制作すると発表した。2025年に上演する予定。演劇と認知症問題を組み合わせ、演劇の現場から介護問題の深さを観客に認識してもらうことを狙う。 両庁院が15年から進めていた屋外での演劇上演プロジェクトの新たな段階として上演する。許美玲副ディレクターは、芸術を生活に取り入れ、変化を生み出したいと語った。 「よみちにひはくれない」は岡山県を拠点にする老いをテーマにした劇団「OiBokkeShi」(オイ・ボッケ・シ)が15年に同県和気町で初公演を行った。高齢者のリアルな生活を表現し、観客は演者と一緒に実際の町を歩きながら観賞する。埼玉県や英国では現地版が制作され、上演された。 台湾版の制作チームは今年6月、台北や中部、南部などのデーケアセンターや現地の高齢者などを訪問した他、専門家や学者らとも接触して理解を深めた。高齢者の生活や声を脚本に取り入れる。両庁院は、各界の力を集めた上で、より平等で調和の取れた社会の実現に期待を寄せた。 (葉冠吟/編集:齊藤啓介)