人命「軽視されとるやん」 浸水想定区域に小学校を建設 盛り土で周辺地域の浸水リスクが増加
福岡工業大学・社会環境学部 田井明 准教授 「学校に避難する、学校から避難する、という時の判断が、学校の先生や行政が適宜正しい判断をするのがかなり難しいと思うんですね。きっちりマニュアル化していても想定以上のことが起こると思うので、かなり考えておかないと危ない」 ■最大1メートル15センチ浸水する住宅も 今年5月に開かれた住民説明会では盛り土によるかさ上げに周辺住民から不安の声が上がりました。 建設予定地のそばに住む蔵本芳樹さんの場合、最大で1メートル15センチ浸水する恐れがあることがわかりました。 盛り土の影響でこれまでより70センチ程度、水かさが増すことになります。 蔵本芳樹さん 「めっちゃ周辺住民のことをないがしろにしてるなと思います。何でそんなことするのって。学校を建てること自体には反対していません」 ■市が打ち出した対策でも・・・ 福津市は、グラウンドや駐車場のかさ上げを30センチ下げるなどの対策を打ち出しましたが軽減されるのは10センチだということです。 蔵本芳樹さん 「私たちとしても河川、土木、建築などの学識経験者がいろいろ検討してみたけれど、もうこの方法『盛り土』しかありませんというのならば、まだ納得しようと努力もできます。」 ■教育委員会「教育環境を優先すべき」 蔵本さんら周辺住民は学識経験者を入れた検討委員会を開くことなどを教育委員会に請願しました。 しかし、教育委員会は、「児童の教育環境を整えることを優先すべき」などとして請願を不採択としました。 蔵本芳樹さん 「教育委員の人たちは、『自分たちは人命を軽視するつもりはない』と言っていましたけど、軽視されとるやんって思いました」 ■市長「できる限りの対策したい」 福津市の原崎智仁市長は、早めの避難を呼びかけるなどソフト面の強化に加えてハード面でも「出来る限りの対策をしたい」と話します。 福津市 原崎智仁 市長 「グラウンド部分にも調整池が作れないかなとか、それは思っていますよ。ハード面の整備はもう少し、まだまだ開発区域内にしても外にしても特に蔵本さんたちが住むアパート周辺を守らないかんと思っています」