兵庫知事選「空中戦」で斎藤氏は40人規模のSNS部隊、稲村氏はショート動画も駆使
兵庫県の斎藤元彦前知事(47)の失職に伴う知事選は17日の投開票に向け、最終盤を迎えている。激しい舌戦が続く中、各陣営が重視するのがSNS(交流サイト)の戦略だ。全県域の広い選挙区に候補者の訴えや人柄を浸透させたり、街頭演説に人を集めたり…。さまざまな効果が期待される一方、実際の投票行動にどこまで直結するのかは未知数な面もあり、各陣営とも試行錯誤している。 【写真】斎藤氏「ずっと一人ぼっち」雨中の演説で本音ポツリ ■清水氏は政策、対談を発信 インターネットでの選挙運動が解禁されたのは平成25年。以降、政党や候補者はネット活用に取り組んできたが、最近はX(旧ツイッター)やインスタグラムのほか、「ユーチューブ」や「TikTok(ティックトック)」といった動画共有サイトが重視される傾向がみられる。兵庫知事選でも、今年7月の東京都知事選での石丸伸二氏や、先月の衆院選での国民民主党の手法を参考にする陣営もある。 前参院議員の無所属新人、清水貴之氏(50)は主にXとインスタグラムを使って日々の活動を発信。夜にはユーチューブでライブ配信も行い、自身の政策を話したり応援議員との対談を流したりしている。 陣営関係者は「主要な他陣営と比べるとマンパワーが不足気味」と分析。地道に活動報告したり予定を公開したりして、少しでも多くの支持を獲得したい考えだ。 コンテンツを使い分けて発信するのは元尼崎市長の無所属新人、稲村和美氏(52)の陣営。ユーチューブのショート動画では人柄や重点政策の説明を分かりやすく、「note」では長文の記事で政策などを詳しく説明する。 「情報伝達効率はSNSが最善」と陣営関係者。一方で、ネットに親しみのない世代の有権者からは「見捨てないで」といった声も寄せられるといい、地道な選挙活動にも力を入れている。 ■大沢氏も演説会を生配信 無所属前職の斎藤氏の陣営はXやインスタグラムなどを日々更新できるよう30~40人が分担して作業に当たっている。翌日の予定を投稿することで「街頭演説に多くの人が集まってくれる」(陣営関係者)と発信力を実感している。 斎藤氏自身の発信力も増している。Xのフォロワー数は失職直後の9月末に約7万人だったが、16万人超に増加。投稿へのコメントに「勇気づけられる」と話しているという。