忙しい朝、洋服が決まらずイライラ…服の色合わせの悩みを即解決、あると便利な「3色」 ファッションエディター大草直子氏の着回し術
この3色、ものすごく良い仕事をするので、早めに決めるのをオススメします。 ただし、着る自分も変化するので、年に一度は見直しましょう。 ■自然界で近くに存在する色は、相性が良い 「自然の景色」の中で近くに存在する色同士は、とても相性が良い。それをコーディネートに反映すると、きれいで心地良いカラーパレットが完成します。 例えば、春の桜、夏の海岸、秋の紅葉、冬の雪山なんていう風景を思い浮かべてみてください。1つひとつ、具体的なスタイリングに落とし込んでみますので、想像力を駆使して、イメージしましょう。
まずは桜。 色辞典で見る桜色ははかなく、透明感の高いピンク。そして、淡くて薄い。花弁が集まるからこそ、あの迫力が出ますが、1つひとつはそんな感じ。 例えば、この繊細なピンクのカシミヤのニット。合わせるボトムスは、何を選ぶ? 黒だと桜色が完全に負けます、飲み込まれてしまう。グレーだと、もしかしたらぼんやりした印象に? 答えは、桜の幹の色。グレーをたっぷり含んだブラウン。赤み、というよりグレーが強く出ている色味です。パンツに採用するのは、このグレーブラウンのウールのパンツ、が答えです。
■雄大で繊細なカラリングは自然界に 夏の海岸はわかりやすい。 スキっと爽快な海の色、ターコイズブルーのワンピースに合わせるのは、海辺の砂のような、乾いたベージュ。ベージュの色味は広いので、わかりやすく言うと、パスタの乾麺の色。ラフィアのハットや、かごバッグなんかと合わせると、両方の色が引き立て合ってきれい。 秋の山を、ドローンで眺めてみると? 深い赤に始まり、黒に近いグリーン、飴色のようなブラウン、柿を思わせるオレンジ。まさに、ミッソーニのニットには、このシーンがドラマティックに表現されています。
もし、あなたが柿色のウールのスカートを持っているなら、タイツは、飴色ブラウンを合わせましょう。こうイメージしてみると、紅葉の景色には多くのヒントがあることがわかります。 そして冬の雪山。 多くの白、グレーをレイヤードすると、記憶に残る着こなしに。卵の殻の色が黄みを含む温かな白だとすると、雪山の白やグレーは、「水色」を共通項にした、温度の低いカラリング。グラデーションにすると、クールでデリケートなおしゃれになります。
こんなふうに、もし色合わせに迷ったら、自然に広がる雄大で繊細なカラリングを参考にしてみてください。
大草 直子 :ファッションエディター・スタイリスト