DeNAの生え抜きが屈指の活躍 桑原、シリーズ初の5戦連続打点
◇○DeNA11―2ソフトバンク●(3日・横浜スタジアム) 身売りに伴いDeNAに球団名が変わった2012年に入団の生え抜きが、プロ野球人生でも屈指の活躍を見せた。1番打者としてチームを日本一までリードし、今回の日本シリーズの最高殊勲選手(MVP)にも輝いた桑原将志選手だ。「夢のような、ずっとたどり着きたい所だったのでうれしい」と笑顔を見せた。 1点を先取した二回、なお2死二、三塁で打席が回った。追加点がほしい場面で「もう1点、もう1点と強い気持ちを持ち、そして後ろにつなげようと打席に入った」。言葉通り、2球目のツーシームをとらえると、鋭い打球が三遊間を破った。一気に2人が還り、塁上でガッツポーズ。日本シリーズ新記録の5試合連続打点となった。 昨季は外野手のゴールデングラブ賞を獲得するも、今季はレギュラーには定着できなかった。ただ、ポストシーズンに入ると調子を上げ、巨人とのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ最終戦で打順が1番に上がってからは打撃がさらに上向いた。 やはりソフトバンクと対戦した17年の日本シリーズでは、6試合で打率1割5分4厘に終わった。だからこそ、今シリーズにかける思いは強かった。「一戦一戦必死でチームを引っ張っていくという強い気持ちがあった」 第1、2戦とホームで連敗した後のミーティングではチームを鼓舞し、第5戦まで打率3割9分1厘と絶好調。守備ではダイビングキャッチなど再三の好守を見せていた。この日の打撃では一回、遊撃への当たりで一塁にヘッドスライディングして内野安打とし、チームを勢いづけた。 ただ、今回は7年前の借りを返そうと臨んだのではないという。「今の最高のメンバーと全力で戦うことができて本当に幸せ」と激戦を振り返った。 2日には「チームが勝つために何ができるかということを考えられている」と一丸になれていることに手応えを感じていた。そして、どうしても欲しかった四つ目の白星を手に入れた。 【岸本悠】