ステラヴェローチェ＝栗東トレセン（撮影・安部光翁）

天皇賞・秋の「俺のチェックポイント」初日は、大阪サンスポの山口大輝記者がステラヴェローチェに注目した。GⅠ未勝利ながら、重賞2勝の実力馬。前走は栗東坂路中心の調整だったが、今回は2週連続で栗東CWコースで追い切っており、調整方法を変えた理由に切り込んだ。 ◇ MLBドジャースのワールドシリーズ進出が決定。日本のプロ野球も日本シリーズが目前で、野球ファンとしては非常に楽しい。競馬もクラシックが終わったのもつかの間、今週末はGⅠ馬が6頭も出る天皇賞・秋。まだいいところがない秋GⅠだけに、週の頭から取材にも力が入る。 実績馬が集まると、出てくるのが人気の盲点となる隠れた実力馬。その候補の一頭がステラヴェローチェだ。GⅠ未勝利ながら重賞2勝を挙げ、皐月賞、日本ダービーで3着に好走。屈腱炎を乗り越え、今年は札幌記念3着など健在ぶりも見せている。 気になったのが中間の調整方法だ。前走の産経賞オールカマーでは坂路中心だったが、今回は10、17日と2週連続で栗東CWコースで追い切っている。山田助手に確認すると「（これまでは）脚元のことを考えながらでしたが、今回はCWコースで攻めています。結果が出ている調教パターンに戻しました。状態は変わらずいいし、雰囲気もいいですよ」と明かしてくれた。一般的に坂路の方が脚元への負担は少ない。それだけ脚元を含めて状態がよくなっているということだろう。 17日の1週前追い切りは初コンビの佐々木騎手が初コンタクトし、6ハロン80秒0─11秒1の好タイムをマーク。一杯に追われ、しっかり負荷もかけた。同助手は「感触は良かったみたいです。しっかり折り合っていたし、しまいも動かしてくれました」と納得の表情だ。 以前は前向きさが勝ったタイプの印象があったが、最近は精神的にも成長しているようだ。「ノリさん（横山典騎手）が乗り出してから落ち着きがあって、ゲートでもおとなしくなっていますね。それまではメンコなど馬具も工夫していましたが、ジョッキーの提案で外して、何も気になるところがなかったです」と証言する。 「ポテンシャルはあるので、なんとか頑張ってほしいです」と締めくくった。相手は強いが、けがを乗り越えてきた境遇は応援したくもある。最終追い切りを含め、じっくり見極めたい。（山口大輝）