社会人2年目ですが、給与が「3000円」しか上がりませんでした。「昇給アリ」と聞いていたのに、これって詐欺ではないですか? 想像よりかなり少ないと感じてしまいました…
令和時代に昇給3000円は低い?
近年は、度重なる物価高から大幅な賃上げを実施する企業が増えました。特に、2022年から2023年にかけて賃金の引き上げ率が高く、歴史的にみても高水準といえるでしょう。春闘に関する報道などを見ると、2024年にはこの傾向がさらに強まっていると思われます。ここからは、昇給額3000円が現在の水準に適しているか検証します。 ■令和4年水準なら平均に近い 昇給3000円が年内に2回あるなら、令和4年の平均昇給額に近い水準まで届きます。令和4年の平均昇給額は、全体で5534円、大企業なら6478円です。昇給が年間3000円なら低水準ですが、年2回なら十分水準は満たしています。 ■2023年に平均賃金が大幅に上がっている 令和5年の平均昇給額は9437円で、年間3000円のおよそ3倍、年間6000円でも1.5倍と差があります。昇給額3000円は令和4年の平均と比較すると低水準でしたが、令和5年と比べるとさらに下回ります。 また、企業規模別でみると、令和5年の大企業の平均昇給額は1万2394円、前年の6478円と比べると2倍近い上昇幅にまで上がっています。中小企業でも7420円~9676円の上げ幅です。昇給額3000円は年2回の実施だとしても、最近の水準には至っていません。 ただし、これらの数値には従業員全員の給与を一律で上げる「ベースアップ」も含まれます。昨今は物価上昇が続いているため、従業員の生活を守るべくベースアップを実施する企業が少なくありません。 数値上は平均昇給額と今回のケースで大きな開きがあっても、実質的な差はもう少し縮まるとみてよいでしょう。
スキルアップで昇給額アップを目指そう
新卒2年目で昇給額3000円は、年1回なら低水準、年2回なら平均です。近年は、ベースアップを実施する企業も増加していることから、来年には大幅な昇給が実現する可能性もあります。 たとえ給与が上がらなくても法的には問題はありません。給与アップを目指すなら、普段の業務をしっかりこなし、スキルアップを目指すのが早道でしょう。 出典 厚生労働省 令和5年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部