いまの100万円を10年後、1400万円に増やす方法とは…バフェットが「複利効果」と「ゴールに着くことの重要性」を説くその理由
「安全余裕率」はシートベルトだ
2については、2021年6月14日公開「投資で事故っても生き残るための神様バフェットの教え『安全余裕率』」で詳しく解説した。 1は、市場でのクラッシュに巻き込まれずに、むしろそれを利用せよという教えだが、2は、万が一クラッシュしたときに「自分の身をどのように守るべきか」という教えである。 レーシングカーにはAWW 2020年12月28日「『命がけ』で走るのは昔の話! サーキットで『高い安全』を確保してくれる『装備』とは」で述べられているような、多数の安全装備が備えられている。 ロールケージ(ロールバー)は、車内を囲うように組立てられた金属製のパイプ(バー)のことだ。衝突の際にも室内が潰れることなく、ドライバーを守ってくれる。 さらには、ヘルメットやハンス(頭部や頸部を保護するために開発された装置。前記AWW記事1ページ目の写真を参照)などでドライバーそのものを守ってくれる。もちろん、公道で着用が義務づけられているシートベルトもその一つだ。 その他数えきれないほどの安全装備が搭載されているのがレーシングカーである。このように万全の対策がとられているのは、一般道の走行に比べてレースが危険だからである。もし、一般道でヘルメットをかぶり、ハンスを着用したドライバーを見かけたら驚くはずだ。
大きなリスクをとる「バフェット流」
同じように、バフェット流の投資も一般に考えられているよりもはるかに大きなリスクを背負っている。 例えば、「大原浩の逆説チャンネル<51回>『分散投資を有難がるとは気が違っているとしか思えない』バフェットの過激な盟友チャーリー・マンガーを偲ぶ(バフェット流の真髄(その2)」で述べたように、(大きなリスクを背負う)「大胆な集中投資」を行っているのだ。 また、「5年間株式市場が閉鎖されても平気な銘柄にしか投資をしない」という方針も、「一度投資をしたら不退転の決意で保有し続ける」という大きなリスクが前提だ。 もちろん、このような大胆な決断の前提には、昨年9月23日公開「投資家の8割は損をする、勝ち組になるためには『市場のゆがみ』と『アイディア』を」5ページ目「勉強・研究が投資の基礎」のような地道な準備があるのだが、大きなリスクをとるための安全対策にも抜かりが無い。 このように、徹底的な準備と周到な安全対策がとられているからバフェット流は「ほとんどいつも成功」するのである。決してリスクが低いわけではなく、むしろ大きなリスクを背負っていることに注意すべきだ。 そしてその徹底的な準備と周到な安全対策は、「ゴールに確実に到着」するためのものである。