米10年債利回り、4カ月ぶり高水準の4.48% インフレの粘着性を懸念
[シンガポール 14日 ロイター] - アジア時間14日の取引で米10年物国債利回りが3ベーシスポイント(bp)上昇し4.483%と、7月以来の高水準を記録した。 米2年物国債利回りは3.5bp上昇の4.319%。 13日発表の米消費者物価指数(CPI)は予想通りの内容だったが、市場は現在、来年末までに75bpの利下げを織り込んでおり、特に次期トランプ政権の政策が財政赤字の拡大や物価上昇圧力につながるとの見方を背景に、市場に不安が広がっている。 ATFXグローバルのマーケットアナリスト、ニック・ツイデール氏は「CPIは予想通りの内容で、通常であれば12月の25bp利下げが確定するのだろうが、トランプ氏の勝利と共和党の議会制覇で状況が劇的に変わった」と指摘。 「(新政権の)政策の影響が統計に表れるのは来年に入ってからだが、連邦準備理事会(FRB)は今後数四半期、利上げペースに慎重になるだろう」と述べた。 市場は12月の25bp利下げの確率を約83%と予想しているが、アジア時間の取引ではフェデラルファンド(FF)金利先物が小幅に下落。FRB高官は再びインフレリスクに照準を合わせ、利下げのペースと幅を見定めようとしている。 INGのエコノミスト、ロブ・カーネル氏は「インフレが速やかに解消されるわけではない。4.5%という10年債利回りは馬鹿げた水準ではなく、潜在的に5%という水準も可能性として考慮に入れるべきだ」と述べた。