「厚生年金と国民年金」天引きされるお金4つを一覧でチェック。2024年度の国民健康保険料の上限は2万円引上げ
厚生年金と国民年金から天引きされる4つのお金
公的年金は税金や社会保険料が天引きされるため、受給額と実際に振り込まれる金額が異なる点には注意が必要です。 それぞれ天引きされる条件が定められており、以下の内容に該当する方が対象となります。 ●介護保険料 介護保険料は年間受給額が18万円以上かつ、65歳以上の年金受給者が対象となります。 介護保険制度は市町村が保険者として制度を実施しており、各自治体によって介護保険料が異なります。また、3年ごとに金額が見直されるため、定期的に確認するのが大切です。 ●国民健康保険料および後期高齢者医療保険料 65歳以上75歳未満の国民保険制度や、75歳以上の方が対象となる後期高齢者医療制度も年金から天引きされます。どちらも年間18万円以上の年金を受給した場合に、特別徴収の対象者となります。 なお、介護保険料と国民保険料、または後期高齢者医療保険料の合計が年金受給額の1/2を超える方は対象外です。 ●住民税 住民税は年間受給額が18万円以上かつ、65歳以上の方が特別徴収の対象になります。 ただし、老齢年金と退職年金を支給されている方に限られており、障害年金や遺族年金などの受給者は非課税です。 ●所得税および復興特別所得税 一定金額の公的年金を受け取る場合は、所得税や復興特別所得税が徴収されます。 年齢によって課税対象が異なり、65歳未満なら108万円、65歳以上であれば158万円を超える年金を受給したときに税金がかかります。 住民税と同様に遺族年金などを受給している場合は税金がかかりません。 また、所得税と復興特別所得税は源泉徴収されるため、年金が支給されるタイミングで差し引かれます。
国民健康保険料の上限が2万円引上げ
厚生労働省は2024年度に国民健康保険料の上限を引き上げる方針を固めました。 上限額は、2023年度の104万円から2万円を引き上げた106万円になります。 2022年度は3万円の引き上げを実施し、今回で3年連続の発表です。 国民健康保険料は医療分の基礎賦課額または後期高齢者支援金等賦課額と、賦課額の合計が限度額となります。2024年では後期高齢者支援金等賦課額の上限が22万円から24万円に引き上げられたことで、限度額が2万円増えています。 ●国民健康保険料の限度額推移 以下の資料は、国民健康保険料限度額の推移です。 2000年から2023年までに44万円の引き上げが行われています。また、2000年から2011年までの期間では、8年連続で限度額が引き上げられていることが確認できます。なぜ国民健康保険料は上がり続けているのでしょうか。 ●国民健康保険料の引き上げが続く要因 国民健康保険料の引き上げが続く主な要因は、高齢化による後期高齢者の医療費増加や中間所得層への負担増加に配慮していることが影響していると考えられます。 2022年から団塊世代が75歳以上の高齢者になることで、より後期高齢者の医療費が増加するといわれています。 さらに、少子高齢化によって現役世代が減少しているのも抑えておきたいポイントです。 このままでは、2025年にかけて保険料の負担が上昇すると見込まれています。 また、高齢化に伴う医療費の増加や被保険者の所得が停滞するなかで、保険料の上限額を引き上げず、保険料率アップによって保険料を確保すると中間所得層の負担が重くなります。 しかし、保険料の上限を引き上げれば、中間所得層に配慮した保険料率を設定可能です。