将来は社会保険料が「金融資産に応じて高くなる」って本当!? お金はNISAより「タンス預金」すべきなの? 現時点の検討内容を解説
NISAはやらないほうが良いの?
今回の検討でもNISA口座が対象となるかはまだ不明ですし、「2028年度までに道筋を決定したい」との報道もあるので、実現するにしても金融所得が社会保険料に反映されるのは当分先になります。 また令和6年度の都道府県標準保険料率(所得割)は医療、後期支援分、介護納付金分併せて14.31%ですので、現行の金融所得への課税率(20.315%)よりも少ないです。NISA口座での運用が税制上有利なのは変わりませんので、資産運用するならNISA口座を活用した方が良いと考えます。
資産運用せずにタンス預金はどうか?
仮にインフレ率が2%で推移すると、タンス預金の価値は年々下がり、36年後には半分の価値となってしまいます。そもそも金融所得に含み益や投資元本は含まれませんし、もうかった場合のみ社会保険料に反映されます。 タンス預金ではインフレでお金の価値が目減りするだけですが、資産運用すれば利益が出る可能性があり、利益となれば所得となり、社会保険料に反映されるので、利益が出ている分だけタンス預金よりもお得になります。
まとめ
今回の話題は会社員が対象ではなく、自営業やフリーランス、個人事業主、年金生活者が対象の国民健康保険や後期高齢者医療制度などで検討しているという大前提があります。 また今回の検討の趣旨は「年金や収入は少ないけど、金融所得が多い人にもひっ迫する社会保険料をそれなりに負担してもらう」ことです。 そして今回の検討が実現する可能性も未知数であり、実現するとしても2028年度以降の見込みです。仮に実現した場合でもNISA口座での運用が税制上有利なことは変わりませんし、所得として社会保険料に反映されるのは利益分だけですので、インフレで価値自体が目減りするタンス預金よりも投資の方が有利なのは変わらないと筆者は考えています。 出典 国税庁 株式・配当・利子と税 東京都保健医療局 令和6年度確定係数に基づく標準保険料率 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部