【秋華賞 俺のチェックポイント】クリスマスパレードのために腕利きが電撃復帰!メジロドーベル手がけた安瀬良一さんに直撃
秋華賞の「俺のチェックポイント」4日目は栗東出張中の東京サンスポ・綿越亮介記者が、クリスマスパレードに注目した。関東馬ながら、3日から栗東トレセンに滞在しており、環境の変化にも動じず調整を続けている。紫苑Sを制した先行力は、本番の淀の舞台でも威力を発揮しそうだ。 今週は栗東トレセンに出張。栗東市の隣町である草津市出身だけに、デスクからは「やっとホームに帰ってきたな」と言われたが、実は栗東トレセンにはこれまで行ったことがない。全くのアウェーだ。慣れない環境に終始戸惑っていて、疲労度も倍増している。人間がこれだけ初めての場所に困惑しているのだから、馬も同じでは…。初めて栗東に滞在している関東馬が気にかかり、クリスマスパレードを担当する安瀬一浩助手のもとを訪ねた。 「初めての栗東でもイライラすることなく落ち着いていますね。環境の変化も全然問題ないですよ」 小物の私とはまるで違った。追い切り翌日の10日は引き運動を行ったが、落ち着き払った様子が印象的。精神状態はしっかり整っている。 強力な助っ人が、環境への適応に一役買っている。今回は一浩助手の父・良一さん(76)が12日間限定のヘルパーとして〝電撃〟復帰。1997年の秋華賞などGⅠ5勝を挙げたメジロドーベルやサイレントハンター、ショウナンラグーンなどを担当した腕利きだ。 息子からのリクエストに父が応えて実現した親子タッグ。馬に触れたのは実に8年ぶりというが、息子にアドバイスを送りながら、精力的に世話を行っている。「ドーベルは男馬みたいだったけど、クリスマスは女馬らしい体つきでバネがある。後肢の踏み込みも深いし、いい馬だね」と良一さん。大ベテランのお墨付きは心強い限りだ。 これまで中山で全3勝を挙げる小回り巧者。前走・紫苑Sを2番手から押し切った先行力は、内回りの京都芝2000メートルでも威力を発揮するだろう。スピードの根源について、一浩助手は「本当に効率良くエネルギーを伝えられる走りをしていますからね。これだけ走りのバランスがいい馬はなかなかいない」と類まれなる才能を口にした。春の2冠を分け合ったステレンボッシュ、チェルヴィニアはともに差し脚質。2強を出し抜くうえでレースセンスの高さは大きな武器となる。枠順次第では重い印を打つ必要がありそうだ。(綿越亮介)