「嵐」の20万人コンサート、宮城県で何が起きた?
宿泊面では課題も
一方で、課題が残るのは宿泊面。コンサート開催発表後から県内の宿泊施設には予約が殺到し、仙台市周辺で開催予定だった学会やヨット大会などが中止に追い込まれる事態ともなった。2013年度の衛生行政報告例によると、仙台市のホテルと旅館を合計した部屋数は1万6809部屋、宮城県全体では3万3600部屋。この大型イベント開催にはそれでも部屋数が不足していたようで、期間中は山形市など近隣県のホテルも多くが予約で埋まった。 開催直前には、仙台市内のホテルで期間中、通常5千円の部屋が3万6千円に高騰したとも報じられた。インターネットオークションでは、1人約1万3千円で予約された部屋が転売されて約5万5千円で落札された例が見られた。そればかりか、仙台駅近くの「インターネットカフェの宿泊権」さえ1人1泊5千円程度でオークションに出品され、落札されていた。宿泊施設が不足し、「嵐のコンサート客を受け入れることで、一般客の方が宿泊できなかったとも聞く」と県内の観光業関係者。期間中に東京発仙台行きの新幹線が満席となり、仙台に来ることを諦めた人もいた。観光客の入りが望める大型連休とは日程をずらしてコンサートを開催すれば、経済効果はより高かったのかもしれない。 28日の記者会見で、「もう一度誘致することはあるのか」と記者に問われ、「ぜひもう一回来ていただきたいと思うのですが、なかなかそう簡単にはいかないと思います」と答えた村井知事。貴重な開催となった嵐の大型コンサートは、経済効果とともに地元に宿泊面での課題を残した。 (THE EAST TIMES)