明治大学、『奪還』への道半ばで敗退。準決勝を選手コメントで振り返る。ラグビー全国大学選手権
「自分で行くしかないと思って、自分の前が空いたら積極的に走ろうと思っていた」(伊藤龍)。
試合終了間際には、敵陣ゴール前でのラインアウトからFW(フォワード)戦を展開。大声援が鳴り響く中、左LO(ロック)田島貫太郎(政経4=東福岡)が意地のトライ。木戸主将と固く抱き合った。
「(トライは)うれしかった。楽しい試合だった」(田島貫)。
ノーサイドの笛が鳴り、26-34で試合終了。決勝進出を逃した選手たちの目には涙が光っていた。
昨年度に続き、帝京大に行く手を阻まれた明大。悲願の日本一『奪還』を果たすことはできなかったが、春シーズンで課題だったスクラムでは何度もペナルティを奪い、大きな成長を見せた。
「セットプレーの役割を全うすることができたので、すごくすがすがしい気持ちだった」(右PR倉島昂大・営4=桐蔭学園)。
1年間明大を引っ張ってきた木戸主将は「本当に悔しい。もう1試合やって勝ちたかった」と言葉を詰まらせた。劣勢でも最後まで『前へ』の精神を貫き通す姿は、観客たちの心に刻まれただろう。
木戸組の物語は幕を下ろしたが、明大の戦いはまた続いていく。今試合の悔しさを糧に、選手たちは日本一の座を目指し、3月に新体制で再出発する。
「自分だけでなくチームにもフォーカスを置いて、引っ張っていけるように頑張りたい」(SH/スクラムハーフ柴田竜成・営3=秋田工)。
先輩たちの思いも背負い、成長していく明大ラグビー部の戦いにこれからも注目だ。
文:晴山赳生/写真:井垣友希、久保田諒(明大スポーツ新聞部)
明大スポーツ新聞部