【エリザベス女王杯】ライラックに一変の予兆あり!経験と信頼に裏付けられた鞍上の自信/新人記者のトレセン日記
[GⅠエリザベス女王杯=2024年11月10日(日曜)3歳上牝、京都競馬場・芝外2200メートル] 【新人記者・栗栖歩乃花のトレセン日記】 3年連続でエリザベス女王杯に出走するライラック(牝5・相沢)。この2年、2→4着と惜しい競馬が続いていますが3度目の正直となるでしょうか。前走・府中牝馬Sからの間隔は短いものの、取材をしてみると、13着からの一変がありそうです。 まず、「レース後からカイ食いが良くなった」と三尾助手。これはライラックにとってとても大きな変化だったようで「今までは午前中はちょっとでも口をつけてくれたらいいかなという程度だった。だから他の馬とは違い、夕方から夜に合わせて量を変えていたんだけど、今はその心配がないくらい食べてくれている」とのこと。確かに馬房での様子を見てみるとエサ箱から顔を出さないくらいしっかりとカイバを食べています。普段お世話をしている三尾助手も「なんでか知りたい」と不思議に思う変化が、レースに向かっていい方向に出てくれるといいですね。 他では、鞍上が石川裕紀人騎手に乗り替わることも強調材料。自厩舎の馬ということもあり、新馬の時から調教でずっと乗り続けています。デビューから3年間稽古をつけているのですから、主戦ジョッキーよりも長い付き合い。魅力的なコンビに映るのは私だけではないでしょう。 その石川騎手はデビュー当時からの変化を「気持ちが成長しました」と話します。「オルフェーヴル(産駒)の牝馬なので2歳の時は気持ちが強すぎるところが出ていて、競馬に向かうまでに消費するものが大きかったです」。しかし今は「競馬を重ねて自分のやるべきことが分かってきて、普段の落ち着きが出てきています。そこは大きいですかね」と成長を感じているとか。 それに伴う「オンとオフがはっきりしていること」は今のライラックの強み。石川騎手はまだ一度も競馬での騎乗経験がなく、「競馬のオンがまだ分からないので、どういうスイッチが入るかだけど…」と言いつつ「不安はないです」とキッパリ。力強い言葉は根拠のないものではなく「またがった数が多いのは自信につながります」と調教で積み上げられた経験と信頼に裏付けられたものです。 「体の張りが出てきて走る気が出てきました。馬が競馬に向かってきています」(石川騎手)と仕上がりは良さそう。前走からの短期間で変化があったライラックと長く調教にまたがっている石川騎手。このコンビならGⅠ勝利をつかみ取ることができるような気がします。
栗栖 歩乃花