【高校サッカー選手権】インハイ出場の済美、松山東に苦しむも13年ぶり選手権へ初戦突破!
9月23日に合同チーム3チームを含む48校45チームが集い開幕を迎えた第103回全国高校サッカー選手権愛媛予選。高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2024 四国参加中のため準々決勝から登場する帝京第五を除くシード3校が初戦を迎えた10月14日の3回戦では3会場で7試合が開催され、うち北条スポーツセンター球技場での第1試合では今年、インターハイに6大会ぶり5度目の出場を果たした第1シードの済美が登場。1回戦で新居浜工を5-2で破るなど2試合で11ゴールの攻撃力が武器の松山東と対戦した。 スターティングイレブンは4-2-3-1システムの済美のGKは1西村天翔(3年)。4バックは右から12中條純(2年)、4清水喜生(3年)、キャプテンの5岡田蓮(3年)、13南隆心(2年)。中盤はダブルボランチに10隅田幸輝(3年)と6深見月哉(3年)が入り、右サイドに7沖宮駿(3年)、左サイドに8河野椋衣(2年)、トップ下に9宮内黄(3年)。ワントップは14兵頭陸(3年)となった。 対してベンチ入りメンバー含め全員が1・2年生で挑む松山東は3-4-2-1システムと4-1-4-1システムを弾力的に運用。GKの1塩谷悠斗(2年)、ワントップ20横田天翔(1年)の位置はそのままに、3-4-2-1システム時は6鈴木晴斗(2年)、2野間須仁紀(2年)、16竹本龍之介(1年)が3バックとなり、中盤はキャプテンマークを巻いた8髙瀬拓人(2年)、10平松優大(2年)がダブルボランチを形成。右サイドには3高野瑛翔(2年)、左サイドには11森並大智(2年)。2シャドーには7田中友(2年)、4石井颯眞(1年)が入る形。 さらに松山東4-1-4-1にシステチェンジした際は、3高野が右サイドバックに入り16竹本が左サイドバックへ。中盤は10平松がアンカー役、7田中が右サイドハーフ、8髙瀬がシャドーにポジションチェンジすることにより「済美の立ち位置に対応する」(瀬野明監督)堅守速攻型の戦術で挑んだ。 はたして試合は前半、松山東が描いた思惑通りの展開で進んでいく。常に自分たちの前に松山東の選手がいることでパスコースを塞がれた済美は持ち味のDF裏への飛び出しが影を潜めることに。それでも30分過ぎからは9宮内のドリブル突破や8河野の左サイドを起点とした攻撃で数度の決定機をつかんだものの、ここはGK1塩谷を含めた松山東の身体を張ったディフェンスに阻まれ、0-0のスコアレスで40分が終わった。 後半に入ると「判断もなかったし、球際でも負けていた」と前半の戦いを振り返った済美・渡邊一仁監督が動く。まずは7沖宮に変え25藤田晃太朗(3年)を入れ右サイドの活性化を図ると、センターバックの5岡田がフリーでボールを持った際は中盤まで持ち上がり、ダブルボランチの流動的動きをサポート。これにより前半相手を惑わせた松山東は、逆に立ち位置を迷わざるを得なくなってしまった。 そして迎えた51分、相手GKのビルドアップが緩くなったところを見逃さなかったのは済美25藤田。パスカットした勢いのままゴール前まで運んだ彼の右足シュートが決まり、済美は欲しかった先制点を手にした。 これで完全にペースをつかんだ済美は続く60分にも右CKのこぼれ球をMF10隅田がヘディングで再びゴール前に入れ、そのボールをダイレクトで合わせた藤田にDF4清水が左足アウトサイドで反応。これが美しい弾道を描いてゴールマウスを破り2-0。 後半アディショナルタイムのPKは松山東GK1塩谷のファインセーブで3点目こそならなかったが、終わってみれば相手に苦しみながらも、決して冷静さを失わなかった済美がFW藤本佳希(J2モンテディオ山形)がエースだった第90回大会以来、13年ぶり5回目の選手権出場へ向けて初戦を快勝。10月26日の準々決勝では松山学院の挑戦を受ける。 (取材=編集部)