選ばれし30名に初選出! 18番でバーディを奪った前田光史朗「これで報われました」【ゴルフ日本シリーズJTカップ・初日】
国内男子ツアー最終戦、日本シリーズJTカップが開催中だ。秋晴れで迎えた初日、本大会初出場組の3人の一人、前田光史朗を直撃! 前田光史朗のドライバー正面連続(撮影/大澤進二)
前田光史朗は今年、初優勝こそなかったものの何度も上位に顔を出し、安定した成績を残して賞金ランク31位で本大会出場となった。作新学院高校から強豪日大ゴルフ部へ。プロ入り2年目の24歳。今年のオフの取材時に「プロになってすぐに活躍できると思っていたけど厳しい世界でした」と語っていたが、その世界に立ち向かうための日々の努力が今年の躍進につながった。ジュニア時代に憧れ目標にしてきた石川遼と同じ“選ばれし30名”の大舞台に立った。 「いい緊張感もありつつ、楽しくプレーできました。この雰囲気を楽しんでいます」と前田。 「このコースは初めて。すごく難しい印象です。グリーンの傾斜も強く、乗せる位置をしっかり決めないとバーディチャンスをつくれない」 17番までで3オーバーと苦戦したが、難関の18番パー3では、18度のUTでピン筋にナイスショット。傾斜を使ってピン左2メートルにつけて見事バーディをゲットした。 「これで報われました。アゲンストだったので、1番手上げてカット目で打った。高さも弾道も思い通りで、今日一番いいショットが打てました。明日につながります」 前田の組にプロコーチの桐林宏光が付いて歩いていた。ジュニア時代に前田を教えていたことがあり、感慨深そうに前田を見つめている。 「本当に嬉しいですよ。もともとジャンプする感じのスウィング。でも体を鍛えて大きくなって、スウィングにブレがなくなった、フィニッシュは変わらずピタっと止まりますが、左の足のブレが少なくなったんですね」 桐林の隣で「こうしろー、がんばれ!」と声をかけていたのは、同じく前田がジュニア時代にカートを運転しながら同伴ラウンドしていたというトップアマの男性。 「感激です。昔からアプローチは本当に上手かった。スウィングは個性的だったけど、基本に忠実ながらも“今風”のスウィングに変わった。努力をたくさんしたんでしょうね。最終18番は右手前に逃げたりせずにピンを差したショットでした。素晴らしかった」 家族や知人の応援が多いのもこの最終戦の特徴だ。皆さん、それぞれの想いを胸に応援するプロの成長をまぶしそうに眺める。 「途中で僕の名前を呼んでくれたのはめっちゃ聞こえましたよ(笑)。こうして皆さんに来ていただいて本当に嬉しいです。あと3日あるので少しずつ順位を上げられるように、楽しみながら頑張りたい」と前田。 “選ばれし30名”が戦う本大会には、30通りのドラマも潜んでいるのだろう。 写真/桐林宏光
週刊GDツアー担当