水原一平被告事件、米国でドラマ化 米大手制作会社が着手「信頼と裏切り、富と名声の罠の物語」 大谷への裏切りどう描かれるのか
【ロサンゼルス9日(日本時間10日)】米大リーグ、ドジャースの大谷翔平投手(29)の銀行口座から金を盗んで不正送金した罪に問われた元通訳、水原一平被告(39)の違法賭博事件が米国でテレビドラマ化されることが分かった。映像制作・配給会社「ライオンズゲート」が、事件を題材に脚本を制作中と発表した。プロデューサーの一人、アルバート・チェン氏は「信頼と裏切り、富と名声の罠の物語に迫る」と談話を出した。 事件の終結を前に、早くも作品化の動きが出た。大谷翔平を巻き込んだ水原被告の違法賭博スキャンダル。米国の映画制作・配給会社ライオンズゲートが、事件を題材にしたドラマシリーズの脚本の制作に着手した。 スポーツ誌「スポーツ・イラストレーテッド」の元編集者で、プロデューサーを務めるアルバート・チェン氏は「ピート・ローズ(別項)以来、メジャーリーグ最大のスポーツ賭博スキャンダルであり、その中心にいるのはMLB最大のスター。信頼と裏切り、富と名声の罠の物語に迫る」とした。 ライオンズゲートは、アカデミー賞で6部門を獲得した映画『ラ・ラ・ランド』(2016年公開)、ホラー映画シリーズ『Saw』(ソウ)などで知られる。チェン氏とともにドラマ制作を担うのは、米演劇界最高の栄誉とされるトニー賞を受賞したスコット・デルマン氏。制作は初期段階で、題名は決まっていない。 水原被告は21~24年、約1万9000回もの違法スポーツ賭博で抱えた借金返済のため、大谷を装い銀行口座の連絡先を変更し、不正にアクセス。銀行詐欺罪による被害総額は1697万5010ドル(約26億4000万円)と莫大で、胴元との生々しいテキストメッセージのやり取りが明らかになるなど、ギャンブル依存症の側面が赤裸々に暴かれた。 デルマン氏は「ライオンズゲートは、この信じられないような物語を画面に映し出すのに最適なパートナーだ。アルバート(チェン氏)の幅広いスポーツジャーナリズムの経歴が点と点を結びつける」とコメントした。 歯科治療の名目で大谷から得た6万ドル(約930万円)の小切手を利用するなど、新たな手口も明らかになった水原被告は既に銀行詐欺罪と虚偽の納税申告を認め、司法取引が成立。14日(日本時間15日午前3時半)に罪状認否のためカリフォルニア州の連邦地裁に出廷する。欺瞞(ぎまん)に満ちた一連の事件。放映されれば注目されることは必至だ。