成功の秘訣は「頑張らないこと!?」17kg減に成功!自分の心地よさと向き合うダイエット【体験談】
漫画家のなぎまゆさんは今までダイエットに失敗してきたものの、40代になって健康面での理由からダイエットを始め、17kg減に成功しました。『痩せるより大切なことに気づいたら、人生で一番楽に17kgのダイエットに成功しました』(KADOKAWA)では、「頑張らないダイエット」の経験が描かれています。なぎまゆさんに今までのダイエットとの違いや、続けるために工夫したことを伺いました。 〈漫画〉『痩せるより大切なことに気づいたら、人生で一番楽に17kgのダイエットに成功しました』(KADOKAWA)より ■無理をしたらまたリバウンドするだろう ――どんなきっかけでダイエットを始めたのでしょうか? 30代までは、外見的なことや服が入らないことでも体型を気にしていたのですが、最近は大きいサイズの服の選択肢が増えたり、今は個人事業主として自宅で漫画や絵の仕事をしているので人に会わなくなったり、年齢を重ねるにつれて見た目は気にならなくなっていました。 ところが「食生活が乱れがち」と話していた同年代の友人が病気になりました。また、私は持病があるのですが、体重が増えたことで、身体への負担が増えていることを感じていたんです。当たり前に送ってきた生活が送れなくなるのではないかという危機感から、ダイエットを始めました。 ――今回のダイエットを始める際、最初に「我慢せずにダイエットをする」と決めていましたが、何か参考にしたものはあるのでしょうか? 特に参考にしたものはないのですが、ダイエットを始めるにあたって、過去のダイエット日記を見返しました。 自分の記憶では、適度にダイエットを頑張って痩せていったものの、だんだんと食べる量に気をつけられなくなって……。そのうちダイエットを考えなくなって、いつのまにかリバウンドしていた感覚でした。 でもダイエット日記には「食べられない」「お腹が空いた」「こんなに頑張ってるのにまた増えていてイライラする」など愚痴が多かったんです。自分の記憶とは異なって、不満が多かったことに見返して気づきました。 かつては1か月で5kg減量といったようなペースでダイエットしていて、最初のうちはどんどん体重が落ちるのでモチベーションも上がって、「今日より明日は良くなる」と信じて取り組むのですが、ある程度落ちたら停滞します。また無理な食事制限や運動をすれば同じことを繰り返す。それなら、頑張らないダイエットをする努力をしなければならないと思いました。 ■「頑張らないダイエット」とつらいダイエットの違い ――「頑張らないダイエット」を実践した結果、17kg減できたとのことですが、今までのつらいダイエットと、今回の続けられたダイエットの違いはどんなところにあると思いますか? つらいダイエットは短期目線で、続けられるダイエットは長期目線でした。つらいダイエットをしていたときは、「頑張れば明日はもっと痩せられる」とか、人から褒められることなどでモチベーションを上げていた。言い換えれば、目の前のエサにつられて一生懸命頑張っていたんです。 最初のうちは周囲の人からも「変わったね」と言われてモチベーションが上がるのですが、だんだんと最初のようには体重は落ちなくなるもの。当然無理している分、停滞やリバウンドに対するストレスにも弱くて「なんで痩せないの」「もういい」と諦めていました。 続けられるダイエットは、たとえば直近で人に会う用事があるとき、それまでに何kgか痩せればきっと気づいて褒められると思うのですが、そういうエサを無視することにしました。そこで無理をすると、後でリバウンドするからです。「1年後に会ったときには絶対に変わっているはずだから」と考えるようにして、短期間で痩せられる可能性が見えても、あえて無視をするようにしました。 最初の3、4か月くらいは、つらいダイエットをした方が早く痩せられると思うんです。でも短期的なダイエットだと、停滞してから維持ができなくなってリバウンドしてしまっていた。1年や2年かけるつもりで、長期的に緩やかに痩せていくことを目指しました。 ――今回、健康的な理由でダイエットを始めたとのことですが、いざ痩せ始めると、会った人に「綺麗になったね」と言われたり、体重が落ちていくのを見て楽しくなって「もっと痩せたいという」気持ちが湧いてくることもあると思うのですが、影響されないように気をつけたことはありますか? 過去の日記を思い出すようにしました。結局、短期的な結果を求めて焦っても、今の体型になっています。周囲からの反応が欲しくなる気持ちに引っ張られないようにするために「そうやって無理して頑張って、今まで1年後にどうなっていた?」と問いかけていました。 ■「頑張らないダイエット」を続けるために ――頑張らないダイエットを通じての気づきはありましたか? ダイエットに限らず、何かを継続したいと思ったとき、最初からエンジンをかけて頑張ろうとしてしまいがちだったのですが、長期的に継続したいのであれば、一度立ち止まって、極力無理をせずに結果を出せるための工夫を考える必要があることがわかりました。 ――頑張らないダイエットとは、自分の心地よさへ向き合うことの連続だと思います。どんなことを意識していましたか? たとえば自分が10の量を食べたいとき、5に減らせば早く痩せるのですが、心地よくはない。結果を急いで、むやみに心地よさから離れるのではなく、6なら?7なら?……と痩せられるであろう量と、心地いいと感じるラインのギリギリを意識していました。少しずつでも痩せる食事量がわかっていれば、それを続けていけばいい。むしろその量までは食べるように意識していました。 「今日は食欲がそこまでじゃないから我慢できるかも」と思ったときにも食べるようにしていました。というのも、人によるとは思うのですが、私は「今日は腹八分目でいいかも」「おかずを一品減らしても大丈夫かも」と思っても、3時間後にはお腹が空いてしまうタイプだからです。そこで間食をするくらいでしたら、食事の時間にしっかり食べた方がいいと考えました。 ――「チートデイ(普段食事制限をしている人が時々あえてたくさん食べる日を作ること)」は取り入れなかったのですよね。 はい、でも「ずっとパンやアイスを食べない」といった生活ではしんどくなるので、友達と食事をするときには一番好きなものを食べるようにしていました。どうしても食べたい日には、気持ちの面での息抜きとして思いっきり食べることもあります。 たとえばインドカレーを食べた後に、カフェで甘いドリンクとスイーツみたいな……。そうすると1日で2kg近く増えることもあるのですが、そういう食生活を継続しなければ、戻ることも経験しました。私の場合は、1食だけ置き換えるよりは、「今日一日は好きに食べて良い日」と決めた方がリフレッシュできて満足感があることにも気づきました。 ※後編に続きます。 【プロフィール】 なぎまゆさん 東京都在住。漫画家。お部屋を整理整頓ができない理由やキレイな状態を続ける方法を紹介した実録コミックエッセイ『「ちゃんとしなきゃ!」をやめたら 二度と散らからない部屋になりました』が人気に。シリーズ3冊刊行。 インタビュー・文/雪代すみれ
雪代すみれ