イスラエルが報復に踏み切れば「原油価格急騰」「日本株安」も…中東情勢の要点を整理する【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
米国の反対もありイスラエル報復の可能性は低いが、市場には一定程度の警戒感が残る見通し
ただ、イスラエルとイラン、それぞれが抱える事情を踏まえると、イスラエルがイランに対し報復攻撃に踏み切る可能性は低いと思われます(図表2)。イスラエルは、パレスチナ自治区のガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスとの戦闘を続けており、イランと報復の応酬に発展すれば、大きな負担となります。また、イランは米国の経済制裁などで国内経済が悪化しており、イスラエルとの本格交戦は避けたい意向があると推測されます。 また、米ニュースサイトのアクシオスは13日、バイデン米大統領が同日、イスラエルのネタニヤフ首相と電話で会談し、イランへの報復に反対する意向を伝えたと報じました。イスラエルが自国の状況を勘案した上で、バイデン氏の助言を聞き入れるとすれば、中東情勢の深刻な悪化は避けられる見通しです。ただ、親イラン勢力の動きは読みにくく、偶発的な衝突で状況が悪化することもあるため、市場には一定程度、警戒感が残ると思われます。 (2024年4月16日) ※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『イスラエルが報復に踏み切れば「原油価格急騰」「日本株安」も…中東情勢の要点を整理する【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】』を参照)。 市川 雅浩 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 チーフマーケットストラテジスト
市川 雅浩,三井住友DSアセットマネジメント株式会社
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