長持ちのポイントは水分対策にあり! 加水分解からアウトドアグッズを守る方法とは
アウトドアグッズの宿命である「加水分解」。靴やテントなどで発生するこの現象は、べたつきや劣化に加え、悪臭を放つこともあるためできれば防ぎたいもの。もちろん劣化自体は避けられないため交換の時期は必ずやってきますが、普段からのお手入れや片付け方次第で加水分解を遅らせることは可能です。具体的な対策や方法について、詳しく見ていきましょう。 【写真】キャンプギアの加水分解対策をチェックする(全5枚)
アウトドアグッズにとって水気や湿気は大敵
ポリウレタン生地の加水分解は水気や湿気と反応して起こるので、どんなに信頼性のあるメーカーやブランドでもいずれ発生してしまいます。だからこそ普段からのお手入れがカギ。加水分解を防ぐためには、水気や湿気を避けることが重要になります。 テントは雨や朝露、結露など乾ききらないままに収納するのは厳禁。たたむ前には十分に干して乾燥させましょう。底の湿気が気になる場合はひっくり返して干すのがおすすめです。乾ききらずに持ち帰った場合は、屋外で改めて干して乾燥させることが大切。メンテナンス時に少し気をつけるだけで劣化を遅らせることができ、テントも長持ちします。
日々のメンテナンスと収納の仕方で寿命が変わる
ポリウレタン素材は水分以外にも紫外線や塩素にも弱い性質があります。そのためテントを拭く際は塩素が含まれる水道水の使用にも気をつけたいところ。キレイにしているつもりが、逆に劣化を早めてしまう可能性があるので注意が必要です。水道水で洗った際にも、しっかりと乾かしてから収納するようにしましょう。 続いては保管する場所について。紫外線を避けるため直射日光が当たらず、湿気も少ない場所を選んでください。必然的に、室外よりも室内の方が保管に適した場所と言えそうです。クローゼットの中なども湿気が籠りやすいので、明るい部屋で「見せる収納」のような形で保管しておくのもいいですね。
グッズや素材で加水分解の対策をしよう
加水分解対策には、専用のグッズをつかうのもおすすめです。例えばモンベルから発売されている「ドライストレージバッグ」は、外部からの湿気や侵入を阻止して乾燥した状態を保つ保存袋。専用の乾燥剤(シリカゲル)も一般的なものに比べて7倍の吸湿性があるものを利用しています。SサイズとMサイズの2種類から選べますが、テントやシュラフならMサイズがおすすめ。加水分解の対策には心強い味方となるでしょう。 その他、加水分解を完全に避けたい人にはコットン素材のテントを選択するという手もあります。コットン素材は加水分解を起こさないため、加水分解の悩みからは完全に開放されるのが嬉しいポイント。 ただし、コットン素材のテントはカビの発生に気をつけなければなりません。カビの対策も、高温多湿の環境を避けるのが鉄則。いずれにせよ、保管場所には気をつける必要がありそうです。大切なアウトドアグッズを守るためにもメンテナンスを丁寧におこない、加水分解対策の参考にしてください。
野中陽平