広島の配球の罠にはまった4番柳田の不振
日本シリーズの第2戦が28日、広島のマツダスタジアムで行われ、広島がソフトバンクに5-1で快勝した。ソフトバンクはスタメンを4人入れ替える超攻撃的布陣を組んだが、デスパイネの守りのミスが広島の先制点につながるなど裏目に出た。だが、それ以上に深刻なのが4番・柳田悠岐の大不振。シリーズの行方を左右する緊急事態だ。 「絶対に(1勝を)取るという気持ちで攻撃的にいかせてもらった。序盤の立ち上がりにいい攻撃をできたらと思っていた」 短期決戦の戦い方を熟知する工藤監督が決断した超攻撃的布陣が裏目に出る。 初回、先頭の田中広輔のレフト前に上がった打球にドタドタと突っ込んできたデスパイネは、スライディングキャッチを試みたが、打球をダイレクトでとれなかったばかりではなく後ろにスルーしたのだ。スタメン復帰した今宮健太がカバーに走ったが二塁打となった。工藤監督が「普通の外野手でも捕れない」と、かばった難しい打球ではあったが、「普通の外野手」ならばシングルヒットに抑えることができた。 菊池涼介に送られ、二死三塁となってから鈴木誠也の当たりそこねの高いバウンドのゴロがショートの前へ。 だが、不運にも、今宮の捕球直前にバウンドがイレギュラーして方向を変える。今宮は反応して素手で捕り一塁へ送ったが、セーフ。タイムリー内野安打となり広島の4番打者を乗せてしまった。3回にも併殺を焦った川島慶三の送球の乱れから2点を失う。超攻撃的布陣は、背中合わせにあるリスクに泣くことになった。 実は、シリーズの開幕前にも、DHの使えない広島のホームでのデスパイネの起用法が首脳陣の中で議論になっていた。「広島の外野は風が吹き守備はむずかしい」との意見があり守備重視でスタートを切ったが、4時間38分の死闘の末、2-2の12回引き分けとなり、その試合で左足にデッドボールを受けた内川聖一が欠場となったことも影響して、スタメン4人の入れ替えの決断が下されたが、結果的には裏目に出た。 ソフトバンクの超攻撃的布陣の採用は間違っていたのか。 ソフトバンクに詳しい評論家の池田親興氏は、「ああいうデスパイネの守備のミスが起きることは計算ずくの布陣。結果論では裏目に出たが内川の欠場もあり仕方がなかったと思う。それよりも問題は、そういう布陣を組んでも打てなかったこと」という意見だ。 西武とのクライマックスシリーズのファイナルステージでは、大爆発していた打線が、ジョンソン-フランスア-中崎翔太の必勝リレーの前に、わずか4安打の1得点に抑え込まれた。前夜は、2点を奪ったが、代打・デスパイネの二塁左を襲う打球が、名手、菊池のミスを誘ったワンチャンスでの得点で、決して打ち込んだわけではなかった。 特に深刻なのが打率.167の4番・柳田の不振だ。