3試合ぶりの先発出場に意欲を示した清水高木（左から2人目）（撮影・神谷亮磨）

　J2清水の大卒ルーキーDF高木践（せん、22）が3日、窮地を救う覚悟を示した。チームは6日のアウェー水戸戦に備えて静岡市内で調整したが、DF高橋祐治（31）がコンディション不良で練習を回避。水戸戦の出場は流動的で、代役として高木が3試合ぶりに先発出場する可能性が出てきた。勝てばJ1昇格の可能性がある大一番。プロ1年目の22歳が体を張る。 　　　◇　　◇　　◇ 　抜てきに応える自信がある。高木は練習メニューを全てこなすと、「毎回出る準備はしている」と力を込めた。次戦は今季センターバック陣で最多29試合に出場している高橋の出場が不透明。代役を任されれば、3試合ぶりの先発で「舞い上がることなく、普段通りのプレーを意識したい」と淡々と意気込みを示した。 　大舞台に立った経験も大きい。国立競技場で行われた前節横浜FC戦は1－1で迎えた後半途中から出場。J2歴代最多の5万5598人が来場した首位攻防戦のピッチに立ち「緊張感がある中で試合に出られたことは、成長につながる」とうなずいた。試合終了間際には左サイドからドリブルで持ち上がり、決定機を演出。守備を最優先しながらも、ゴールを目指す積極性をみせた。 　昨季は阪南大に所属しながらJリーグ公式戦に出場できる強化指定選手としてリーグ戦にも出場。ただ、勝てばJ1自動昇格だった最終節のアウェー水戸戦はケガで離脱中だった。無念のドローに終わり、昇格を逃した一戦は、DAZNで観戦。画面越しに味わった悔しさは忘れておらず、「やり返したい」と雪辱を誓った。 　今季は2－1で勝利した5月のホーム水戸戦で初先発。屈強なFWと対峙（たいじ）しても負けなかったイメージは残っている。無失点での勝利を目指しながら、得意の最終ラインから差し込む縦パスも意識。「そこは自分の特徴。得点に絡みたい」と、攻撃でもチームに貢献するつもりだ。　この試合の結果次第では、J1自動昇格が決まる可能性がある。「圧勝で決めたい」と高木。ピンチはチャンスと捉え、万全のコンディションで出番を待つ。【神谷亮磨】 　◆高木践（たかぎ・せん）2002年（平14）3月14日、大阪府生まれ。阪南大から今季清水に加入。特別指定選手だった昨季はリーグ戦2試合に出場。今季はリーグ戦10試合出場で1得点。173センチ、70キロ。血液型B。右利き。 　◆清水のJ1自動昇格の行方　次戦で2位以内の自動昇格が決まる可能性がある。条件は（1）清水が水戸に勝利し、3位長崎が大分に引き分け以下（2）清水が水戸に引き分け以上で、3位長崎が大分に敗戦、となる。