第94回選抜高校野球 九国大付、春の吉報 悲願の優勝へ決意新た(その2止) /福岡
<センバツ甲子園> ◇圧倒的破壊力の打線 九国大付は昨秋、県大会7試合で73得点、九州地区大会4試合で満塁3本を含む6本塁打を放つなどして43得点を挙げ、打線の圧倒的な破壊力を見せつけた。 打線の中心となるのは、体重100キロ超の体から豪快なスイングを繰り出す4番・佐倉俠史朗(きょうしろう)選手(1年)と、九州地区大会で打率5割3分8厘の1番・黒田義信選手(2年)。公式戦全14試合で佐倉選手はいずれもチームトップの5本塁打、25打点を記録し、黒田選手も4本塁打と長打力を併せ持つ。5番の主将・野田海人(かいと)選手(2年)も3本塁打、20打点をマークし、勝負強さが光る。 投手陣は、11試合に登板し防御率1・41の左腕・香西(こうざい)一希投手(2年)がエース。2021年センバツ準優勝の明豊(大分)に五回コールド勝ちした九州地区大会準々決勝は2安打に抑え、明治神宮大会では1回戦、準々決勝ともに1失点で完投した。スライダーやチェンジアップを低めに集める制球力が持ち味で、130キロ台半ばの直球を速く見せる投球術も巧みだ。2番手は捕手と兼任の右腕・野田選手。145キロ超の速球とスライダーを武器に、県大会決勝は福岡第一を4安打1失点に抑えて完投した。 守備も強肩捕手の野田選手と中堅手・黒田選手を中心に堅く、県大会から明治神宮大会までの14試合で失策はわずか7。九州地区大会は無失策で頂点をつかんだ。【成松秋穂】 ……………………………………………………………………………………………………… ◇学校紹介 1958年に八幡大付として開校した私立校。89年に現校名に変更し、2010年に男女共学となった。校訓は「清く 明るく 逞(たくま)しく」。 野球部は開校と同時に創部。東北(宮城)などで指揮を執った若生正広氏(21年死去)が監督だった11年春のセンバツで準優勝した。夏の甲子園は14年からの3年連続を含めて7回出場し15年の8強が最高。 サッカー部や陸上部なども全国レベル。主な卒業生にプロ野球の富山凌雅投手(オリックス)や清水優心捕手(日本ハム)の他、演劇など多方面で活躍する俳優の松尾スズキさん、元バドミントン選手で北京オリンピックとロンドン五輪に出場した潮田玲子さんがいる。 ……………………………………………………………………………………………………… ◇21年秋のメンバー 守備 氏名 学年 出身中 投 香西一希 2 百道 捕 ◎野田海人 2 甘木(大牟田) 一 佐倉俠史朗 1 宮ノ陣 二 白井賢太郎 1 広田(長崎) 三 毛利和暖 2 振甫(愛知) 遊 尾崎悠斗 2 内浜 左 大島諄士 2 花尾 中 黒田義信 2 日宇(長崎) 右 中上息吹 2 大蔵 補 小田原義 2 大野(長崎) 〃 秋元旺祐 2 国見(大分) 〃 落合真洋 2 香椎第一 〃 高尾靖 2 湯川 〃 隠塚 1 中央(宗像) 〃 浅嶋大和 1 春吉 〃 石橋央祐 2 高取 〃 山口修平 1 春吉 〃 木塚凪咲 1 洞北 〃 横町幸輝 2 江北(佐賀) 〃 佐藤謙蔵 2 泉 〃 内村颯人 1 六ツ美北(愛知) 〃 瓜生大喜 1 春吉 〃 太田夢天 1 海青(佐賀) 〃 中村友亮 1 鷹匠(兵庫) 〃 藤木翔世 1 北稜(大阪) 部長 西尾太一(47) 監督 楠城徹(71) ※◎は主将 〔北九州版〕