心が満たされる。ユークリッド宇宙望遠鏡がとらえた美しすぎる天文画像
「かじき座銀河群」
かじき座銀河群は若い銀河群で、合体しつつある銀河も観測されています。6200万光年先にあり、サイズは大きな銀河団と小さな銀河群の間であることから、銀河の進化過程と、このような銀河同士の相互作用を理解するための興味深い研究対象となっています。
かじき座銀河群のクローズアップ
こちらは先ほどの画像の左上部分を拡大した図。真横から見た銀河、そして背景にも数多くの銀河が写っています。ユークリッドがどれほど高精細に撮影できるのかを示しています。
銀河団「Abell 2764」
画面右上にあるのが銀河団Abell 2764で、ダークマター・ハローにある数百もの銀河から成る領域です。ダークマターは(科学機器では直接検出できないので)文字どおり目に見えませんが、天文学者たちは目に見えるものへの重力の影響によってそこに存在するとわかっています。 画像下半分にある明るい星は、天の川銀河にあるV*BP-Phoenicisです。ユークリッドが遥か遠方の(地球から10億光年ほど離れた)きらびやかな銀河団を観測できるのは、前景の星からの光の散乱を抑えているからです。
渦巻銀河「NGC 6744」
渦状腕を持つことにちなんで渦巻銀河と呼ばれているNGC 6744は、地球から3000万光年先に位置します。渦状腕を構成している塵は、新たな星形成の燃料であるガスと関連していて、ユークリッドの観測ではそれらがマッピングできるようになります。
ユークリッドが撮影した天体は、どの辺にある?
ここで小休止ということで、それぞれの天体が空のどこにあるのか見てみましょう。こちらは天の川銀河の、オーバル型の地図です。ユークリッドがこれまでに観測した銀河団、星のゆりかご、そして星雲が散らばっています。
銀河団「Abell 2390」
地球からは27億光年も離れているAbell 2390も、早期リリース観測で撮影された銀河団です。 画面中央の明るい天体の集まっている箇所をよく見てみると、銀河間光(親銀河から離れて銀河間空間に留まる恒星から放たれた光)が見えます。ユークリッドはこの銀河間光を活用して、ダークマターの分布を研究できるとのこと。 またユークリッドは、このような深くて広視野な画像を他の望遠鏡よりも遥かに速く撮影できます。