鈴鹿央士&松本穂香が2024年も大活躍 『嘘解きレトリック』コンビ“躍進の1年”を振り返る
ドラマ『95』から舞台『ふくすけ』まで、松本穂香の多面的な魅力
松本は、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』への出演で話題を集め、『この世界の片隅に』(TBS系)では約3000人の中からオーディションを経てヒロインに抜擢。初主演作となった映画『おいしい家族』では、「結婚して母さんになる」という父親の発言を発端に、父親の変化に振り回されながらも、次第に受け入れていく過程で起こる主人公・橙花の変化を繊細に表現した。感情の変化をじっくりと丁寧に解きほぐしていく演技はもちろん、ときおり見せるコミカルな表情も見どころとなっており、とにかく多彩な顔を見せてくれる俳優という印象がある。 2024年には、『95』(テレビ東京系)で高い評価を受けた。同作は大人が作った社会の仕組みに抗い、大切なものを守りながら1995年の渋谷をがむしゃらに駆け抜けた高校生を描いており、松本は岸セイラ役で出演。髙橋海人(King & Prince)の演じる“Q(キュー)”こと主人公・広重秋久が思いを寄せる、大人びていて自分の芯をしっかりと持っている女性という役どころだ。高校生にしては少し達観しているが、実は年相応の悩みを抱えているというその二面性と向き合った。 他にも『笑いのカイブツ』や『鬼平犯科帳 血闘』、『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』(NHK総合)といった作品に出演するほか、舞台方面でも『ふくすけ 2024 -歌舞伎町黙示録-』に出演し、汚れつつもきらびやかな歌舞伎町という世界で強く生きるホテトル嬢のフタバを生き生きと演じきった。もともと映像を主戦場としている松本だが、スクリーンを通さず自分の目で見る、松本の目の力強さやたくましさは計り知れないものがあった。 第1話の出会ったばかりの頃と比べると、すっかりコンビとして馴染んできた鈴鹿と松本。『ガリレオ』シリーズ以来となる、名コンビが誕生したと言っても過言ではないだろう。残すところあと1話。鈴鹿と松本の息の合ったコンビネーションをじっくりと目に焼き付けたい。
川崎龍也