ドイツのクリスマスマーケット襲撃、犯行に使った車に容疑者の遺書…周到に計画か
【ベルリン=工藤彩香】ドイツ誌シュピーゲルによると、独東部マグデブルクで20日に起きたクリスマスマーケット襲撃事件で、容疑者のサウジアラビア出身の医師の男(50)が犯行に使ったレンタカーに遺書を残していた。
報道によると、遺書には自身の死後、全財産をドイツ赤十字社に寄付すると書かれていた。犯行動機につながる政治的な記述はなかった。男は11月以降、マグデブルクを複数回訪問し、犯行9日前の11日にレンタカーを借りていた。事前に周到に計画し、犯行に及んだとみられる。
男はサウジから亡命した反イスラム主義の活動家で、移民排斥を訴える右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」を支持し、イスラム教徒に寛容なドイツの移民政策を批判していた。捜査当局は、男がイスラム教徒に対する独政府の対応に一方的に不満を募らせたとみて、動機の解明を進めている。
一方、マグデブルクでは23日、AfD支持者による大規模デモが行われた。AfDのアリス・ワイデル共同党首も駆けつけ、「亡命を認めた国の国民をさげすみ、殺すような人間は、私たちの国には属さない」と犯行を非難した。