ドゥカティ史上最軽量&コンパクトな新型「V2」エンジン登場 今後ストリート向けの主力エンジンに!?
それが新型「V2」では、低速から豊かなトルクを発揮するそうです。最大トルクの70%を3000rpmで獲得し、3500~11000rpmの間で最大トルクの80%を下回ることはないと言います。 また、このコンパクトかつ軽量なエンジンを搭載する新型モデルは、バイク自体も軽く、コンパクトに仕上がるとのこと。これは楽しみでしかありません。
軽さと扱いやすさを得るため、新たなる技術にチャレンジ
新型「V2」エンジンを見ていて、特にコンパクトに感じるのはヘッド周りです。これはバルブ開閉機構にスプリングを採用していることが大きく影響しています。これまでドゥカティは、バルブ開閉機構に「デスモドローミック」という複雑な機構を多くのエンジンで使ってきましたが、「V2」には採用されていません。
新たに採用されたスプリングによるバルブ開閉機構には、DLCコーティングされたフィンガーフォロワーロッカーアームとIVT(インテーク・バリアブル・バルブタイミング)、さらにドゥカティ初の中空チタンバルブなどを採用しています。これが部品点数を軽減し、ヘッドをコンパクト化。また低中速の扱いやすさを実現しています。 また、シリンダーはヘッドと一体型で、アルミライナーを介してヘッドとクランケースを直結する構造になっています。エンジンはこれまでのVツインよりも進行方向に対して後ろ側に20°傾けることで重量バランスを最適化。さらに高燃費でメンテナンスのスパンも広くなっているそうです。 このエンジンのプレゼンの翌日に、デザイン(海外では設計の意味)の責任者であるアンドレア・フェラリージさんに「V2は近い将来、ドゥカティの中で最も生産台数の多いエンジンになりますか?」と聞いてみたところ「恐らくそうなるだろうね」とのこと。 「V2」の全貌はEICMA(ミラノショー)で明らかになり、その後も数々のバイクに搭載されていくことになるでしょう。
小川勤