「病で苦しむ人を助けたい」"ドクドク鼓動"...細胞の数は「約3億個」iPS細胞でできた『動く心臓』 開幕まであと半年の「万博」最新技術を体感できるパビリオンが続々
「動く心臓」iPS細胞からできた心筋細胞を約3億個使用
続いてはパソナグループのパビリオン。ナビゲーターは鉄腕アトム、テーマは「いのち、ありがとう。」です。ここでの注目の展示はドクンドクンと脈打つ「動く心臓」です。直径約1.5cmで、iPS細胞からできた心筋細胞が約3億個使われています。 この「動く心臓」を手がけるのは大阪大学の澤芳樹名誉教授。 (大阪大学 澤芳樹名誉教授)「とにかく心臓病で苦しむ人を助けたいというのが根本。心筋細胞たくさん作って、心不全を治せるかに挑んできた」 がんに次いで死亡率の高い心疾患。数々の手術にあたってきた澤名誉教授が挑んでいるのが「再生医療」です。 2020年、iPS細胞でつくった心筋細胞をシート状にして虚血性心筋症の患者の心臓に貼り、心機能を再生させる治験を世界で初めて成功させるなど着実に成果をあげてきました。 今回の万博は、いのちの大切さを考えるきっかけにしてほしいといいます。そこで、実際に治療で使っているiPS細胞からできたひらひらと動く心筋シートと、小さな動く心臓の展示を決めました。この動く心臓はまだ血液を循環させる機能は持っていませんが、将来、研究が進めば人に移植される日もくるかもしれません。 (大阪大学 澤芳樹名誉教授)「まだまだブレークスルー(飛躍的な進歩)が必要だと思います。すごいエネルギーとともに、命の大切さとか、命の息吹を感じていただけるのではないかと思います」