タカマサがH形鋼の一貫加工強化。開先・ショット稼働、短納期化
厚板溶断加工・ビルトH形鋼(BH)メーカー大手のタカマサ(千葉県山武郡芝山町、社長・梅田正秀氏)は、最大ウェブ高さ1300ミリまでのH形鋼に対応する開先&スカラップ加工機とショット設備を新設し、本格稼働を開始した。既存の穴あけ&切断ラインと連動させ、自動化・省力(人)化を促進。品質・精度を安定させながらリードタイム短縮による短納期対応力で顧客満足度を高める狙いだ。 同社は顧客サービス強化と付加価値向上を目的に、自社で製作したBHをはじめロールHの切断・穴あけ、開先、ショットといった下工程加工を要望に応じて手掛けていた。 切断・穴あけは、ウェブ高さ1300ミリでフランジ幅700ミリ(穴あけは同500ミリ)まで加工する大型バンドソーとマーキング機能付きNC6軸高速穴あけ加工機(いずれもアマダ製)を連結させたラインを保有しているが、開先とショットは現場スタッフが手作業しており、顧客ニーズにきめ細かく対応するほど労務負荷が増大。時間も要していた。 こうしたボトルネックを解消するため今回、H形鋼開先加工機「MHV―1360NCA」(シンクス製)と鉄骨用ショットブラスト(新東工業製)を導入。3月から操業に入った。 どちらもウェブ高さ1300ミリまでのH形鋼に対応し、同じ構内で切断・穴あけから開先&スカラップしたのちショット処理までを最新設備で一気通貫できる流れを構築した。開先加工機についてはスカラップカッターを装備し、従来形状の切り欠きはもちろん「反転スカラップ」も可能な仕様。鉄骨梁端部の耐震性能と施工性が高いとされる「梁端ストレート工法(反転スカラップ工法)」の今後の需要増に備えた。 同社は厚板溶断(一般切板)、BH製作、鉄骨の梁や部材加工を事業の柱とし、不随する各種二次加工も手掛ける。現場のQCD競争力と人手不足、働き方改革を見据えた自動化につながる設備投資を今後も積極的に手掛けていく方針だ。