【堂本光一 コンマ一秒の恍惚Web】王者・フェルスタッペンに綻びが見えた
■イギリスGPでアップデートの効果が明らかになる ここ数戦、中団グループで好調なパフォーマンスを続けていたVCARBは、フェラーリと同様にスペインで大型のアップデートを投入しましたが、逆に失速してしまった印象です。今のF1はシーズン中のテストがありません。いきなり大きくアップデートしたマシンを持ち込んでも、セットアップを合わせこむのが大変なのでしょう。 スペインGPでのVCARBはフリー走行1回目で新しいリヤウイングが壊れたのも痛かった。それで旧型のウイングを装着することになり、マシンのバランスが狂ってしまい、迷走してしまったように見えました。 ただ、VCARBとフェラーリも新しいアップデートの分析が進んで、オーストリアでは少し速さを取り戻してきたように見えます。3連戦を締めくくるイギリスGP(決勝7月7日)では分析がさらに進んでセットアップが最適化され、スペインで投入したアップデートが当たりなのか外れなのか、はっきりと見えてくるはず。イギリスGPがどんな勢力図になるか楽しみです。 イギリスといえば、僕は先月ロンドンに行ってきて、ジョン(※)が演出する『千と千尋の神隠し』、それに『バック・トゥ・ザ・フューチャー』などのミュージカル作品やABBAのアバター・コンサート『ABBA Voyage』などを見てきました。ロンドンで吸収してきたことを今後、しっかりと還元できるようにしたいと思っています。 イギリスでは充実した時間を過ごせましたが、心残りがひとつあります。イギリスGPの舞台となるシルバーストン・サーキットに足を運べなかったこと。シルバーストンは1950年に第1回のF1が開催されたモータースポーツの聖地です。サーキット内には博物館があって、見学したかったんですけどね。その分、今週末のレースを楽しみたいです! (※)ジョン・ケアード。イギリスの舞台演出家。堂本光一と井上芳雄が初共演したミュージカル『ナイツ・テイル-騎士物語-』の演出を務めた ☆こぼれ話☆ 1957年、当時59歳だったフェラーリの創業者エンツォの波乱と激動の1年を描いた映画『フェラーリ』が2024年7月5日より全国で公開される。光一は本作の宣伝コメンダトーレ(レーサーやエンジニアがエンツォに対して親しみと敬意を込めて呼んだ愛称)に就任している。 「フェラーリといえば、成功した会社で、成功した人が乗って、きらびやかなブランドというイメージを持つ人が多いと思いますが、それだけじゃありません。エンツォは過去にはいろんな困難や苦労を乗り越え、今があります。そこが映画ではきちんと描かれています。フェラーリがほかの自動車メーカーと違うのは、レースに対する情熱です。映画の中でエンツォは『他のメーカーはクルマを売るためにレースをしているが、私はレースをするためにクルマを売るんだ』と語っていますが、レースにすべてを捧げています。だからこそ僕はフェラーリが好きで応援しているのですが、同時に自分の人生でこれほどの情熱を捧げられるものがあるのかな、と考えさせられた作品でした。クルマやレース好きはもちろんですが、それ以外の方でもエンツォの人間ドラマを楽しめると思います。ぜひ映画を見てほしいですね」 スタイリング/渡邊奈央(Creative GUILD) 衣装協力/AKM ヘア&メイク/大平真輝) 構成/川原田 剛 撮影/樋口 涼(対談) 写真/桜井淳雄