お墓の跡継ぎ問題を救う? オンラインで故人を偲ぶ「メタバース霊園」とは
「PC・タブレット・スマートフォンからアクセスできるメタバース霊園。コンセプトは『いつでもどこでもアクセスして、故人を思い出すことができる』。そういった場を提供するサービスだ」 【映像】メタバース霊園とはどんな場所?(中を動き回る様子) こう話すのは、メタバース霊園を作成した冠婚葬祭事業を手掛けるアルファクラブ武蔵野 取締役の小川誠さん。 これまでは故人を偲ぶためにお墓や霊園など特定の場所に足を運ばなければならなかったが、メタバース霊園ではスマートフォンなどからログインするだけで、いつでも故人を思い出せるという。
一体、どんなものなのだろうか? 「ログインすると、共通のエントランスを経由して『ファミリーエリア』に行ける。ここは故人の記念館であり、好きだったサウンドをセットしたり、写真を何枚も空間上に掲示したり、思い出のムービーを鑑賞したりできる」(小川さん、以下同)
さらに訪れた“弔問客”は足跡機能のようにメッセージを残すこともできるという。 他にも同時に30人がアクセスすることが可能で音声やチャットでコミュニケーションをとることで「メタバース霊園で親族が集まり、法要を行う」こともできる。 「人は2回亡くなると言われている。一つは、物理的な死。もう一つは記憶の中から失われる死。だが、後者については100年経っても200年経っても先祖がどういう人だったのかがわかるような空間を作って繋いでいくことは可能で、我々も目指しているところだ」 サービス管理が続く限り、想いを繋いでいくメタバース霊園。気になるのは、その利用料金だが、7月末開始予定のタイミングにおいて故人の写真の設置や、親族が集まれるなどの基本サービスは無料。今後、エリア内にお墓を建てるなど、有料オプションをリリースしていくとしている。 今は、写真や動画を眺めながら故人を偲ぶ記念館となっているメタバース霊園「風の霊」。今後、展開を考えているのが… 「AIを使って、故人との会話を記念館の中で実現していきたい。また、例えばビジネス界で有名な方に対して百年後にビジネスの相談などができるようになるかもしれない」 会ったこともない先祖と会話ができる未来があるかもしれない。最後に小川さんは、メタバース霊園から現代に合った葬儀や法要を提供していきたいと話す。 「『葬る儀式の葬儀』から『想いをつなぐ方の想儀』へシフトをしていきたい。このメタバースはその一環とであり、今後は宇宙葬など、想いを繋ぐというコンセプトによるサービスをメタバース以降も提供していきたい」