韓江さん 非常戒厳宣言に「大きな衝撃」=ノーベル賞受賞者記者会見
【ストックホルム聯合ニュース】今年のノーベル文学賞に選ばれた韓国の作家、韓江(ハン・ガン)さんが6日(現地時間)、スウェーデンのストックホルムで開かれた受賞者による記者会見に臨んだ。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が「非常戒厳」を宣言したことに触れ、「2024年に再び戒厳の状況が繰り広げられたことに大きな衝撃を受けた」と話した。 そのうえで「2024年冬の状況が(過去の戒厳令と)異なる点は全ての状況が生中継され、皆が見守ることができた点」と指摘した。 また、「若い警察や軍人の方々の態度も印象深かった」とし、「恐らく多くの方が感じたと思うが、予期せぬ状況で判断しようとし、内的な衝突を感じながら最大限消極的に動いていたと感じた」と話した。 韓国のある高校で「青少年有害図書」として廃棄された自身の短編集「菜食主義者」にも言及した。「この本の運命だという気もする」としながらも、「この小説に有害図書という烙印を押し、図書館から廃棄することは著者として胸が痛むのは事実」と述べた。韓江さんは2016年に「菜食主義者」で英国の文学賞「ブッカー賞」の翻訳書部門「ブッカー国際賞」を受賞している。 文学の役割については「文学というのは絶え間なく他人の内面に入り込み、その過程で自身の内面を深く掘り下げていく行為であるため、そうした行為を繰り返しながらある内的な力が生まれる」と語った。 スウェーデン・アカデミーは10月、今年のノーベル文学賞受賞者に韓江さんを選んだと発表した。「歴史のトラウマと向き合い、人間の命のはかなさをあらわにした強烈な詩的散文」と受賞理由を説明した。文学賞受賞は韓国人としても、アジア人女性としても初めて。
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